戦時下のウクライナで「孤児の家」の開設を目指し、これまで3回にわたり現地を訪問している神戸国際支縁機構の海外部門「カヨ子基金」が、厳しい寒さの中、電力不足に直面している同国の人々を援助しようと、現地に送るポータブル電源や発電機を募集している。
カヨ子基金はこれまで、昨年6月、8月、10月の3回にわたり、ウクライナを訪問。現地の状況を視察するとともに、孤児たちが住む「カヨコ・チルドレン・ホーム」の開設場所や現地の協力者を探してきた。
6月の訪問時には、ロシア軍との激しい戦闘が行われた首都キーウ近郊の町イルピン出身の男性が案内してくれたことにより、同じくロシア軍による住民の虐殺があった近隣の町ブチャを訪れることができた。しかし、この男性の元にも昨年末に徴兵の連絡が来た。2日間だけクリスマス休暇を取って戦地に戻る際に、カヨ子基金の佐々木美和代表に連絡をしてきたという。
「もう二度と会えるか分からない。不在の間、家族を再訪してほしいという連絡でした。彼は『殺したくない』とつぶやきました。しかし、即座に『ウクライナに栄光あれ』と言い換えました。戦時下では、停戦・終戦は子どもも口にできません。いつロシアから不意打ち、夜襲攻撃があるか誰も分かりません。戦禍の国では、停戦交渉、言葉による希望は、死んだ言葉になっています」
ウクライナは、ロシア軍による電力インフラに対する度重なる攻撃により、厳しい寒さの中、電力不足に陥っている。そのため、カヨ子基金は、ポータブル電源や発電機を日本国内で調達し、現地へ直接届けることを計画している。
募集しているのは、医療機器や一般的な家電が稼働できる通常出力1500~2000W程度のポータブル電源や持ち運び可能な発電機。本体重量が20キロ未満であれば、持ち運びができて使いやすい。ポータブル電源については、具体的な機材としては「Jackery 2000 Pro」などが理想的だという。発電機については、「女性が運搬するので、できるだけキャスター付きだと助かる。インバーター発電機だとなお一層助かる」と要望している。
2月9日(木)までに、神戸国際支縁機構(〒655-0049 神戸市垂水区狩口台5-1-101)に届けてもらえれば、現地への輸送に間に合う。一方、その後も別便で送ることは可能で、常時受け付けているという。ポータブル電源や発電機の購入・郵送に関わる費用、救援金も募集しており、寄付は下記の口座まで。受取人の名義はいずれも「カヨ子基金」。
■ ゆうちょ銀行の場合
記号:14340 番号:96549731
※ 通信欄に「ウクライナ」と記載
■ ゆうちょ銀行以外の場合
店名:四三八(店番:438) 預金種目:普通預金 口座番号:9654973