「私たちはこのキリストを宣べ伝え、あらゆる知恵をもって、すべての人を諭し、すべての人を教えています。すべての人を、キリストにあって、成熟した者として立たせるためです」(コロサイ1:28)
医学博士の佐藤富雄先生の著書『あなたが変わる口ぐせの魔術』。この中で、自律神経の法則について説明しています。
例えば、大抵の人は目の前に梅干しを見るとつばが出てきます。しかし、梅干しを実際に見ていなくても、頭の中で梅干しをイメージするだけでつばが出てきます。つまり自律神経というのは、人の思った通りに働く特徴があるのです。そして、佐藤先生は言います。
「太っている人が無意識に食事の時に言っている口癖があります。食事の最後に決まって言います。『これ食べると太るのよね』と。多くの人は気が付いていないけど、確かに言っています。すると、体はその言葉に反応してちゃんと太ってくれるのです。逆に痩せている人の口癖は『私って何食べても太らないのよね』と言います。
また『人生って思うようにならないものね!』と言う人、見事に思うようになっていませんね。感謝を口癖にしている人はどんどん良い事が起こり、文句を口癖にしている人には悪い事が起こるのです。ですから、自律神経の働きを考えるとき、口癖、これは非常に重要です。あなたも自分の口癖をチェックしてみませんか」
世の中は、多くの人の言葉であふれています。人生経験豊かで知恵のある人の言葉には、耳を傾ける価値があります。「あの人の言葉に力付けられました」とか「あの人の言葉には慰められ、励まされる」という経験は多くの人がしていることです。これらの言葉が人生の大切な決断を促したり、人生の困難に直面している人を救うこともあるでしょう。
しかし聖書の言葉は、人の言葉を圧倒します。なぜなら、全知全能の創造者なる神の言葉であり、全ての人の永遠を決定する言葉だからです。クリスチャン一人一人にはこの言葉を宣べ伝える使命が託されています。
時には批判されたり、無視されたりすることもありますが、聖書の言葉は人を永遠に救う言葉ですから、クリスチャンは「イエス・キリストの福音」を口癖にすべきです。なぜならそれは、人を幸せにする口癖だからです。
リー・ストロベルさんは、エール大学法律大学院を卒業した司法関係専門のジャーナリストです。かつては無神論者で、キリスト教の偽りを暴くために徹底的に調査を始めました。
ところが、調べれば調べるほどイエス・キリストの死と復活に関する状況証拠が次々と出てきます。そして、彼の結論は「これでは、無神論者でいることはナザレのイエスを神と信じるよりもっと大きな信仰がいる」と分かり、1981年に自らイエス・キリストを救い主として受け入れました。
彼はクリスチャンになると、積極的にイエス・キリストを周囲の人々に紹介します。当時、新聞の編集長をしていた彼は、かつての自分のような無神論者の部下を教会に誘おうと、一生懸命イエス・キリストについて話しました。
しかし相手の部下たちは「私たちは関心がないのでこの話は二度と話さないでくれ」と言うのです。彼は非常にガッカリしました。
それから何年かたったとき、礼拝が終わった後に見知らぬ男性から声をかけられました。「あなたのおかげで私は信仰を持つことができました。本当に感謝します」。しかしストロベルさんは、その意味が分からずボーッとしていると、その男の人はさらに説明します。
「数年前、私は突然会社を解雇されて途方に暮れていました。貯蓄もなく、家も車もローンが残っていました。私は新聞社を経営している友人に電話をして、何でもいいから仕事をくれと頼むと、彼はビルのメンテナンスや掃除の仕事をくれました。
ある日、私は新聞社のオフィスの床の修理をしていました。そこに、あなたとあなたの部下の人たちが入ってきました。私は机の陰にいたので、あなた方は私の存在には気付いていなかったと思います。そこで、あなたが部下の人たちに、神のこと、イエス・キリストについて、その十字架の意味や復活の確かさについて話しておられるのを聞きながら、この話は私にとって非常に大切な話だと分かりました。
そして次の日曜日に教会の礼拝に行き、信仰を持ちました。今は、家族そろってこうして礼拝に来ているのです」
「イエス・キリストの福音」を口癖にする人の周囲には、必ず幸せの輪が広がっていくのです。
◇