1. 世界幸福度ランキング
10年ほど前から、国連の持続可能な開発ソルーション・ネットワーク(SDSN)が世界150カ国の幸福度ランキングを発表している。2022年版では、フィンランドが5年連続1位を占め、日本は54位にランクされた。
北欧の寂しい寒冷地のフィンランドがなぜ1位なのか。政治的に安定し、経済的にも豊かで長寿国の日本の幸福度が意外に低いのはなぜか。中国からいつ占領されるかもしれない台湾の幸福度が21位と比較的上位なのはなぜか。かつては1位にランクされて話題になったアジアの貧しい小国・ブータンがその後は急速にランクが落ち、今回は圏外に消えてしまったのはなぜか。
要するに、社会環境などの外的な要因は、内面的な幸福感とはあまり関係ないのではないかと思った。
2. 幸せの青い鳥
メーテルリンクの童話「青い鳥」。貧しい家に生まれたチルチルとミチルは、いつも近所のお金持ちの家のことをうらやましく思っていた。2人は「幸せな青い鳥」を求めて過去の世界や未来の世界を探し回ったが、そこで見つけた青い鳥はすぐに死んでしまった。
失望のうちに自分たちの家に戻ったら、家で飼っていた2羽のハトが青い羽根をしていたという物語である。「本当の幸せは外にではなく自分の内にある」ことを教えられる。
3.「ボクは幸せだなぁ」
歌手・俳優の加山雄三の往年の大ヒット曲「君といつまでも」の間奏のせりふ「幸せだなぁ、ボクはキミといるときが一番幸せなんだ、ボクは死ぬまでキミを離さないぞ、いいだろう」から、「ボクは幸せだなぁ」が流行語になったことがある。
女優の松本めぐみと結婚した彼は、有名芸能人としてさまざまな活動による激務、4人の子どもの子育て、2度の事業失敗により落ちた借金と貧乏のどん底生活など、波乱万丈の人生であったと思う。
私の知り合いで加山雄三のヨット友達がいて、彼の私生活について時々聞いたことがあるが、「何事も感謝して明るく生きている」という。歌で幸福を宣言した通り、幸せな人生を歩んできたようだ。
4. 幸福を宣言する
弁護士としていつも紛争や裁判に取り組んでいると、戦いに疲れてしまい、気がめいることが多い。そうすると、全てが否定的に思えてきて、次第に心が病んでくる。弁護士のうつ病が増え、弁護士会には精神カウンセラーが常設されるようになった。
そのようなとき「アイ・アム・ハッピー!」と、自分が幸せであることを心の中で繰り返し宣言するようにしている。不思議に喜び(幸福感)が湧いてくる。
なぜ幸福なのか、その理由が次々に思い浮かんでくる。健康であること、家族がいること、仕事があること、福音を多くの人たちに伝えていること・・・。なぜ「アイ・アム・ハッピー!」と言えるのか。その最大の根拠は、愛の神がいつも私と共にいてくださるからである(マタイ28:20)。
言葉には「言ったことをその通りに実現させる力」がある(イザヤ55:11、マルコ11:23)。言葉で宣言することによって、本当の霊的真実を現実の世界に引き出すのである。私たちはすでにあらゆる霊の祝福をもって祝福されている。また、健康も、癒やしも、繁栄も、安全も、神から与えられるのである(エレミヤ33:6)。
幸せの本当の源泉は神である。神と共にいることに勝る幸せはどこにもない。「神はキリストにおいて、天にあるすべての霊的祝福をもって私たちを祝福してくださいました」(エペソ1:3)
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