日本基督教団は8日、「終戦の日」の8月15日に合わせ、多くの国会議員が靖国神社に参拝することを憂慮し、反対する声明を発表した。
声明は、靖国神社について「侵略戦争を指導し、A級戦犯とされた人々が祀(まつ)られています」と指摘。当時の日本の指導者らは、国外では武力を用いて、人々の自由を奪って人権を蹂躙(じゅうりん)し、国内では思想信条の自由を奪い、若者を戦場に駆り立て尊い命を犠牲にしてきたと強調。「私どもはそのような指導者たちの姿を到底受け入れることができず、また国家の指導的な人々がそれらに崇敬の念を抱くことは断じて受け入れられません」としている。
また、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の関連団体が2013年、靖国神社で慰霊祭を開催したことにも言及。靖国神社が旧統一協会に「友好的な立場」にあると見られるとし、「その観点からも国家指導者たちが、賢明に靖国神社と距離をとり、参拝すべきではありません」としている。
声明は、宣教委員会の岸憲秀委員長、社会委員会の森下耕委員長の連名で出された。
超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は毎年、春と秋の例大祭と、終戦の日に合わせ、靖国神社に集団参拝を行っている。2019年の終戦の日には、会に所属する国会議員52人が参拝した。19年の秋の例大祭後は、新型コロナウイルスの感染拡大のため約2年にわたり見送られてきたが、感染状況が落ち着いていた昨年12月初めに再開、99人が参拝した。今年の春の例大祭でも、103人が参拝している。