靖国神社の秋季例大祭(17~19日)を前に、日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会(星出卓也委員長)は4日、政府に対し、岸田文雄首相や閣僚が秋季例大祭への参拝および真榊(まさかき)の奉納を行わないよう求める要請文を送付した。
同委は要請文で、「首相及び閣僚が、今回も靖国神社への真榊奉納や参拝を公然と行い、それをメディアが報道することになるならば、日本政府と靖国神社が特別な関係にあることを国内外に広く告知し、特定の宗教である靖国神社への関心を呼び起こし、あるいはこれを援助、助長、促進するような効果をもつと言わざるを得ません」と指摘。政府の代表者らがメディアを前に行う一連の行動は「公的」な影響力を発揮するとし、「私的」な行為だと主張することはできないとした。
その上で、首相や閣僚が靖国神社を参拝したり、戦没者の「霊」に対して真榊を奉納したりする行為は明確な宗教的行為だとし、「明らかに『政教分離の原則』に違反しています」と主張。政教分離の原則を定めた憲法第20条3項、宗教団体への公金支出を禁止した憲法第89条を遵守するよう求めた。