日本バプテスト連盟靖国神社問題特別委員会は、天皇代替わりに伴い行われた「即位の礼」(10月22日)と「大嘗祭(だいじょうさい)」(11月14、15日)について、政教分離の原則や信教の自由に反するなどとして、政府に抗議する声明を発表した。声明は8日付。同連盟の公式サイトで19日発表した。
同委は、「即位の礼」の中心儀礼「即位礼正殿の儀」で、首相が天皇を仰ぎながら述べる「寿詞(よごと)」の服属儀式性や、儀式中に発声される「万歳」という言葉が「かつて天皇崇拝や軍国主義を進めるための方策」として用いられたことを指摘。その上で「これらは政教分離原則・信教の自由・平和主義・国民主権」に反すると主張している。また「即位礼正殿の儀」に合わせ、政府が約55万人を対象に実施した恩赦については、「国民主権にそぐわず、天皇礼賛につながる」と批判。自治体や学校、会社などへの国旗掲揚の協力要請についても「『祝意』の強要」につながるとした。
「大嘗祭」については戦中、「大神と天皇が御一体におなりあそばす御神事であって、わが大日本が神の国であることを明らかにするもの」と説明されるなど、天皇の「現人神」としての権威を高めるために用いられていたと指摘。さらに、宗教儀式としての性格があることを政府も認めながら、国費が27億円も支出されていることを問題視。さらに儀式が行われた「大嘗宮(だいじょうきゅう)」も、その後取り壊されるのにもかかわらず、約16億円も費用を費やしていることを挙げ、「税金の浪費」と批判した。