難民問題が世界的な懸案事項となっているが、英政府は4月15日、英仏海峡を渡ってくる難民の一部をルワンダに移送する計画があることを発表した。ルワンダは2009年から英連邦加盟国となっている。計画では、ボートやトラックに隠れて仏側から英仏海峡を渡ってくる独身密航者を移送の対象としている。すでに英パテル内相は、ルワンダの首都キガリで協定を交わしており、英国への密航者らの難民申請は、今後ルワンダで処理されることとなる。
申請が認定されるとルワンダでの再定住支援のため、最大5年間の職業訓練や宿泊施設、医療などが提供される。英国はこのために1億2千万ポンド(約200億円)を投じる。英政府の対応には教会関係者らの反対が相次いでおり、カンタベリー大主教のウェルビー氏は「われわれの責任を他者に押し付けるべきではない。恥ずべき残酷さだ」と非難した。一方、ルワンダ側でどの程度の難民が受け入れ可能なのかは現在不透明だ。英国では、分かっているだけで昨年2万8526人が英仏海峡を渡ったことが確認されており、前年の8404人から大幅に増加した。
5月20日現在、欧州全体で630万人以上のウクライナ難民を吸収している。すでに大量の難民問題となっているシリア難民も、今もって継続している問題だ。それに加え、ウクライナ戦局の長期化に伴い、今後難民問題は世界的な課題として対応が迫られるのは必至だろう。
モーセの律法には、在留異国人、寡婦や孤児など、弱者への配慮と庇護(ひご)が記されている。シリア難民問題では、これらの人々への心身のケアとともに宣教団体による伝道が進み、少なくないシリア人が救われ信者となった。
神は最悪な状況を最善に変えることができる。これら難民問題で教会が率先して支援の手を伸べ、救霊の実が結ばれるよう祈っていただきたい。
■ ルワンダの宗教人口
プロテスタント 24・7%
単立 1・5%
聖公会 1・7%
カトリック 45・3%
他諸派 8・0%
イスラム 5・2%