フランスの首都パリで5月21日、超教派のイベント「マーチ・フォー・ジーザス」が開催され、1万人を超える人々が市内を行進しながら福音を伝えた。新型コロナウイルスの影響でこの2年間は中止となり、3年ぶりの開催。参加者は行進しながら、聖書と福音書の冊子それぞれ約500冊を道行く人々に配った。欧州の福音派メディア「エバンジェリカル・フォーカス」(英語)が伝えた。
フランス国内だけでなく、スイスやベルギーなど国外から参加する人もおり、25歳から35歳までの若者が多く参加した。マーチ・フォー・ジーザス・フランス連盟(MPJF)のポール・オリビエ・プルケ会長は、「私たちはとても幸せです。8千人の参加を見込んでいましたが、警察によると、この目標を上回りました。主催者が警察よりも参加者数を少なく見るというのはほとんどないことです」と言い、予想よりも多くの参加者が与えられたことを感謝した。
宣教団体「ユース・ウィズ・ア・ミッション」(YWAM)の関係者によるグループと6つの音楽バンドが行進をリードし、礼拝や祈り、証し、伝道の時間も設けられた。プルケ氏によると、今年はSNSを活用した広報が功を奏した。これまでは、牧師が教会でイベントを告知するのが主だったが、今年は特にSNS上で影響力のあるインフルエンサーが重要な役割を果たしたことで、強力な動員を実現することができたという。
MPJFのアンドレ・ラオイリソン副会長は、行進の目的は「イエスの愛を宣言し、人々の心に触れること」であり、「イエスを証しする人々の一致」を示すことだと強調。「人々に救いをもたらすことができるのは、イエスだけです。イエスだけが人々を救うことができるのです」と語った。
プルケ氏はまた、「コロナ後、人々は自分自身を表現し、分かち合い、団結してこの時代を生きることを必要としていました。行進は、教会の壁の外で人々が自分自身を表現することを可能にします。私たちをしばしば分断するレッテルをすべて取り去ることができるのです」と強調した。
MPJFはすでに来年の計画も進めており、来年はフランス国内の各都市で開催する考えだ。「そうすれば、この愛と一致の精神が、イエスの福音に対する証しとしてさらに広がるでしょう」とプルケ氏。「マーチ・フォー・ジーザスは、イエスと出会った私たち自身の喜びを示すことができるのです。これほど多くの人々が公共の場に集うイベントは他にありません」と語った。
マーチ・フォー・ジーザスは、1987年に英ロンドンで始まった。その後、世界各国に広がり、94年から2000年にかけては、日本を含む170カ国以上で同日開催された。現在も開催日は異なるものの、各国・各都市で継続して行われている。中でも、ブラジル最大の都市サンパウロのマーチ・フォー・ジーザスは300万人が参加する超大型イベントで、30周年となる今年は7月9日に開催される。