カトリック教会のサンフランシスコ大司教サルバトーレ・コルディレオーネは19日、同教区に所属するナンシー・ペロシ米下院議長(民主党)に対し、聖体拝領を禁止することを通知した。中絶を禁止するカトリック教会の教えに反して中絶権を支持し、自身の立場を正当化するために、自身のカトリック信仰に言及し続けていることを問題視。昨年9月以降、面会を要望していたが実現せず、4月には事前に聖体拝領の禁止を警告する書簡も送っていたという。
通知は翌20日、教区のホームページ(英語)で公開された。それによると、コルディレオーネ大司教は4月7日に送った書簡で、中絶権を支持する立場を公に否定するか、公の場で自身のカトリック信仰に言及することを控え、聖体拝領を控えるかしなければ、聖体拝領を禁止せざるを得ないと警告していた。しかし、ペロシ氏がその後も態度を変えなかったため、コルディレオーネ大司教は「その時が来たのです」とし、「中絶の正当性を支持することを公に否定し、赦(ゆる)しの秘跡においてこの重大な罪を告白し、赦しを受けるまで」聖体拝領を認めないことを告げた。
一方、コルディレオーネ大司教は「私はいつでも対話を続ける用意があます」とし、ペロシ氏のために継続して断食の祈りをささげると伝えた。また、教区の信者に対しては、「すべての議員、特に堕胎を推進するカトリック議員のために、聖霊の助けと導きの下で彼らがこの最も重大な問題において心の回心を受け、人間のいのちが、そのあらゆる段階と状態において守られ育まれるように祈るようお願いします」と求めた。