効果的な宣教の仕組みを求めて創設したブレス・ユア・ホーム(株)の働きは、約8年の探索期間を経て、仕組みを構築する段階に移行してきました。
当初より、共同体の中で神様に心を向け、共に祈る機会を増すことを目標に、仏式や神道式で受け継がれてきた通過儀礼(冠婚葬祭)を、日本人の心に届くキリスト教式で行えるよう検討を重ねてきました。
時間のかかる作業ですが、有効な仕組みを提案し、一般社会の身近に備えることで、ある程度の成果が見込めるようになってきたと思います。
キリスト教葬儀拡大の道筋
日本のキリスト教葬儀の比率は、葬儀全体の2%程度しかありませんが、潜在的なニーズは高く、教会や牧師に伝手のない家族からの相談が頻繁に入ります。
当初、その都度、各地のキリスト教葬儀社を紹介するつもりでしたが、料金が若干高額な上、どこも事業規模が小さいため、全国からの依頼に対応するのは難しいのが実情です。もちろん、牧師が主導すれば、一般の葬儀社でも十分に対応できますが、数多い葬儀社の中から、短時間に最適な葬儀社を選定するのはとても難しいことです。
そこで、全国の葬儀社を束ね、価格と内容を統一させている葬儀社の紹介業者を使って短時間に最適な葬儀社を紹介するようにしました。
通常、紹介業者が間に入ると紹介手数料などで費用がかさむのですが、競争の激しい一般の葬儀社では、どこも稼働率向上のニーズが強く、紹介業者を通した葬儀の方が格段に低料金になります。また、紹介業者間の競争も激しく、弊社が紹介業者を利用すると、さらに葬儀料金を減額できることが分かりました。
弊社には、ホスピタリティーの高い連携牧師が各地にいて、全国から依頼される葬儀の司式に対応できますので、結果的に、品質の高いキリスト教葬儀を、最低料金でどこにでも提供できる体制ができました。
今後、地域教会が地域住民の葬儀会場として教会堂を提供してくださるようになると、キリスト教葬儀は、すべての面で一段と優れたものになるでしょう。さらに、いったん葬儀に関わると、それに続く納骨式や記念会も地域教会が担うことになるため、やがて日本の葬儀文化をキリスト教会が支えるようになると期待しています。
キリスト教結婚式の課題
一方、結婚式に関しては、30年以上前からキリスト教式が広く受け入れられ、60%程度の高い比率で選ばれ続けています。多くの牧師が司式者として用いられ、宣教拡大にある程度の効果があったと思います。
ところが、残念なことに冠婚葬祭事業者が派遣業者を使って、奏楽、司会、撮影、装飾などを手配するようになり、それと同じように牧師を手配するようになったため、牧師は業者の決めた枠内でしか活動ができなくなりました。
派遣業者の気遣いは徹底していますので、牧師の振る舞いや言葉遣いには、多くの要求が入ります。トラブルを避けるあまり、新郎新婦との直接の会話さえ制限され、宣教の機会が減っていることは否めません。
また、冠婚葬祭事業者は当然のことですが、それぞれの単価を下げることを派遣業者に要求しますので、牧師の司式料は、アルバイトのスタッフ並みになってしまいました。
このような状況は、結婚式事業の構造から生じていますので、地道な努力だけでは改善できないのが実情です。司式を担う牧師は、派遣業者の中から抜け出し、依頼者から直接相談を受け、司式に対応するだけでなく、あらゆる事業者を紹介できるようになってほしいと思います。
弊社としては、それぞれの地域の実情を調査し、状況に合わせた具体的な検討を進めていくつもりです。
求められる姿で宣教を拡大しよう
教会は、日曜礼拝を中心に人々が集い、聖書のことばに耳を傾け、神様に向かって祈り、賛美をささげます。その役割は非常に重要です。しかし同時に、教会に集えない人々に寄り添い、聖書のことばに沿って善き隣人となり、彼らの祈り心を支え導く役割があると思います。
弱さの募る日本社会は、献身的な信仰者を切に求めています。地域教会がそのような日本社会のニーズに応える姿勢を示すなら、地域住民の多くが直接教会に相談し、さまざまな依頼が入る時代になるでしょう。地域教会が日本社会の祈りの文化を支えるようになると思います。
今後、地域教会がそれぞれの地域の葬儀や結婚式はもちろん、あらゆる祈りの場を導く備えができるよう、私たちは地域の実情に合わせ、できる限りのサポートを提供したいと願っています。
コロナ禍の終息に合わせ、今後、全国の教会を少しずつ訪問させていただきます。巡回スケジュールを組んでいきますので、弊社のサポートをご希望の方はお気軽に広田(電話:080・3645・8107)までご連絡ください。
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