ウクライナと西の国境を接するポーランドは、歴史的にウクライナとの関係が深く、言語的にも非常に近いため、20日現在、国境を越えて282万人のウクライナ難民が押し寄せている。ポーランドに来る難民は、ウクライナからの避難民全体のおよそ6割に当たる。
避難民でごった返す国境では、混乱に乗じる人身売買目的の誘拐や詐欺などの危険がある。キリスト教団体や人権団体はこれに警鐘を発し、監視の目を光らせている。
ウクライナ政府が国家総動員法を発令したため、18〜60歳の男性は出国を禁じられており、ウクライナ国内での抗戦に備えなければならない。そのため、避難民のほとんどが女性と子どもたちだ。人身売買組織は、これらの人々をつけ狙う。彼ら犯罪者にとって戦争は悲劇ではなく機会なのだ。
国境周辺に命からがら逃れてきたこれらの人々が、詐欺師や犯罪者から守られるよう祈ろう。
米宣教団体のワールド・ミッショナリー・プレス(WMP)では、すでに数千冊の小冊子を現地に送っている。この支援のきっかけは、まず最初に、カリフォルニアのあるミニストリーからメールが届いたことから始まった。彼らは人道的な援助を箱に詰め、それに小冊子も入れていたのだ。すでにウクライナ語とロシア語の小冊子4千冊が発送されている。
冊子発送の要請は、ポーランド現地にコンタクトのあるカナダのミニストリーからもあり、4千冊の冊子を届けてほしいというのだ。
WMPはデンマークにもコンタクトを持っており、同国では約5万人の難民が発生すると見込んでいる。WMPは、48ページの主題別聖書研究を350以上の言語で作成しているのだが、このときはたまたまウクライナ語のテキストが十分手元にあり、すぐに発送することができたという。また、WMPと連携し世界中を飛び回っている2つのディストリビューターがあるのだが、なんとそのうちの一つは東欧に精通しており、彼らは一刻も早く現地に行きたくて仕方がないのだそうだ。
不思議なタイミングや備えを通して、この悲惨な状況にもかかわらず神は働いておられる。戦災の痛みと悲しみ、憤りに暮れる人々に永遠の希望を届けるべく日夜働いている兄姉たちがいることを神に感謝しよう。
これら奉仕者の提供する冊子を通して、難を逃れてきた人々が、目に見える逃れ場だけではなく、魂の逃れ場であるキリストと、この主によって与えられる永遠の安きを見いだすことのできるように祈っていただきたい。
■ ポーランドの宗教人口
カトリック 85・7%
プロテスタント 0・6%
正教会関係 1・5%
無神論者 10・1%
ユダヤ教 0・01%
イスラム 0・1%