世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会は10日、ウクライナ情勢の一刻も早い事態収束を宗教者が祈る集い「ウクライナの平和を願う祈り」をオンラインで開催した。
集いでは初めに、WCRP日本委の災害対応タスクフォース責任者で黒住教教主の黒住宗道氏が祈りをささげ、「ウクライナにおける惨劇の速やかなる終結、そして、幸せな日常が回復されますことを心から祈ります。併せて、核兵器の使用など、もってのほか。駆け引きの道具としても用いられることのないよう切に願い祈ります」と述べた。
続いて、WCRP日本委の和解の教育タスクフォース責任者で元関西学院大学教授の山本俊正氏が、キリスト教の祈りをささげた。山本氏は、ロシア軍による攻撃で一般市民が犠牲になり、ロシア軍とウクライナ軍双方にも犠牲者が出ているとし、「戦争によって、人間がかけがえのない命を奪い合うことは、命の創造者であり、愛と恵みに富みたもうあなたを裏切る大きな罪であることを懺悔(ざんげ)いたします」と述べた。その上で「失われてよい命は一つもありません」とし、「神様、どうぞあなたがウクライナの地に平和をもたらしてください」と願った。
また、ウクライナの人々の中でも特に、女性や子ども、障害のある人々は、住む場所を離れ、逃げ場を失い、日々恐怖と不安の中にいるとし、「どうぞ彼らの嘆きに耳を傾けていただき、あなたが共にいてください。あなたの御手をもって彼らを守り、慰めと希望を与えてください」と祈り求めた。
さらに、「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」とイエス・キリストの言葉を引用。「私たちが傍観者としてウクライナの人々との関係を切り離してしまうのではなく、それぞれが置かれている場所から声を上げ、共に祈る者とさせてください。平和を実現するために、自分たちのできることを、行動をもって示していくことができますように、どうぞ知恵と力と勇気を与えてください」と祈り、アッシジの聖フランシスコの祈りを唱えた。
最後には、WCRP日本委のストップ核依存タスクフォース責任者で立正佼成会参務の中村憲一郎氏が、ウクライナ和平を願う平和祈願文を奏上した。
WCRP日本委理事長の植松誠氏(日本聖公会主教)は、「宗教者として心合わせて祈ることの大切さをあらためて教えていただきました」と述べ、「(ウクライナ和平のために)皆様のお祈りを結集していただきたい」と呼び掛けた。