世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(植松誠理事長)は2日、「ウクライナ情勢に対する声明」を発表した。声明では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を「深く憂慮」するとし、「強い懸念」を表明。「紛争によって大きな犠牲を強いられるのはいつも無辜(むこ)の市民であり、脆弱な立場にある人々」「武力の行使は新たな憎悪を生み、報復の連鎖を断ち切ることのできない愚かな行為」と批判し、即時停戦を求めている。
声明は、軍事侵攻によりウクライナで多くの市民の命が奪われ、大量の難民が発生している状況に言及。一方でロシアでは、軍事侵攻に対する抗議活動が行われているものの、こうした市民の声が「権力者の力によって踏みにじられ、強制的に政治の意思決定から排除されています」としている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、核抑止力部隊に特別警戒態勢への引き上げを指示したことについては、「核兵器の使用を示唆」するものだと指摘。現在の軍事侵攻と核使用への言及は「世界を破滅の道へと導くもの」だとし、「核抑止の考えは取り返しのつかない惨事を招くことをあらためて想起しつつ、ここに、『核兵器使用絶対反対』を強く訴えます」としている。
その上で、WCRP日本委は「絶対非戦の精神で活動してきた」とし、即時停戦を要求。関係各国・各機関に対しては、対話と交渉による平和的解決に向けたあらゆる努力を求めた。最後には、WCRPの国際的なネットワークと連携しつつ、「平和とすべての人々の心の安寧が一刻も早くもたらされるよう真摯(しんし)に祈りをささげます」とし、人道支援の実施も表明した。