ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻を受ける中、ローマ教皇フランシスコから電話で、平和のために祈っていると伝えられたことについて、感謝の意を示した。
ゼレンスキー氏は2月26日、自身のツイッター(英語)に「教皇フランシスコがウクライナの平和と停戦のために祈っていることに感謝します。ウクライナ国民は教皇の精神的な支援を感じています」と投稿した。
駐バチカン・ウクライナ大使館によると、教皇はこの日、ゼレンスキー氏と電話で会話した。大使館はツイッター(イタリア語)で、「教皇は、わが国で起きている悲劇的な出来事に対して深い悲しみを表明されました」と伝えた。
ウクライナ保健省はこの日、3人の子どもを含む少なくとも198人のウクライナ人がロシア軍によって殺害されたと発表した。しかし、国連人道問題調整事務所(OCHA)は、まだ確認されていない死者もいるため、実際の死者数はさらに増えると見ている。
第2次世界大戦後の欧州で最大の地上戦となっているロシアのウクライナ侵攻により、国連難民高等弁務官のフィリッポ・グランディ氏は28日、すでに50万人以上がウクライナから難民として隣国へ逃れたと発表した。
教皇はゼレンスキー氏に電話をする前日25日には、駐バチカン・ロシア大使館を訪問。バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長は訪問について、「戦争への懸念を表明するため」のものだったとし、教皇は大使館に30分余り滞在したと明かした(関連記事:教皇フランシスコ、ロシア大使館訪問し「戦争への懸念」表明)。
ウクライナの首都キエフでは、侵攻するロシア軍に対するウクライナ軍や一般市民による抵抗が続く中、地元の教会は人々に避難場所を提供するなどして対応している。