8月のタリバンによる首都カブール制圧により、巨大な難民問題を抱えるようになったアフガニスタンだが、10月25日の国連発表によると、世界最悪の人道的危機にあり、現在人口3800万人のうちの2300万人が、追加の援助なしには冬を越す食糧が不十分だという。
しかも、タリバンは今でも反体制派やキリスト者を見つけ出しては殺害の手を伸ばしている。米宣教団体のワールド・ミッション(WM)が持つ現地コンタクトによると、タリバンはすでに国内の幾つかのキリスト者共同体を特定しており、悪いことにほとんどの場合、共同体は複数の信者で構成されているのだ。状況は最悪と言っても過言ではないが、そんな中、現地からWMに驚くような報告が飛び込んできた。
タリバンの戦闘員らが、あるキリスト者共同体を探しに出て、彼らを見つけ、なんと全員を殺害してしまった。ところが、殺害を終え帰途にあった戦闘員に御使いが現れ、彼らのしたことをとがめたという。そして御使いはある場所を示して、彼らにそこへ行くようにと命じた。当然、戦闘員らは何があるのかを知らないままそこを訪ねたのだが、ところが何と、その場所には地下教会のリーダーがいたのだ。
地下教会のリーダーは彼らに主イエスの福音を宣(の)べ伝えた。戦闘員たちは武器を捨て回心し、今では主イエスに従う弟子として共同体に迎えられたという。
何ということだろう、まるでダマスコ途上のサウロの回心の現代版ではないか。恐怖と悲壮感が支配する彼の地では、絶望を粉砕する力強い主の右の腕が伸べられている。
かつてサウロと呼ばれた迫害者は、他の誰よりも福音を伝える使徒に変えられた。アフガニスタンの迫害者が、次々に現代のパウロに変えられるよう祈っていただきたい。
■ アフガニスタンの宗教人口
イスラム 99・85%
クリスチャン 0・05%
ヒンズー 0・01%