スペイン北部アストゥリアス州などで使用されているアストゥリアス語の聖書がこのほど完成した。アストゥリアス語は話者が約20万人で、聖書全巻が翻訳されるのはこれが初めて。翻訳には33年の年月を要し、10月28日には首都マドリードのアストゥリアス・センターで記者会見が行われた。
欧州の福音派メディア「エバンジェリカル・フォーカス」(英語)によると、アストゥリアス語への翻訳作業はスペイン聖書協会の翻訳部門が中心となり、聖書学者や言語学者、神学者らからなる超教派のチームによって1988年9月に始まった。聖書原典の言語(ヘブライ語、アラム語、ギリシャ語)とアストゥリアス語の両方について訓練を受けた人材を探すのも難しく、アストゥリアス語の言語学者に聖書原典の言語を学んでもらってから翻訳する必要があるなど、非常に困難なプロジェクトだったという。
スペイン聖書協会の翻訳部門でコーディネーターを務めたリカルド・モラレハ氏は、「アストゥリアス語による前例のない文学的品質と宗教的感性を備えた作品を作り上げることができました」とコメント。「この聖書がアストゥリアス語を使うための良い参考書となること、すなわち教会生活と市民生活の両方の分野で参照されるテキストになることを望んでいます」と語った。