現在中東では、イスラムから改宗した若い信者らによって、福音が急速に広まっている。米国に本拠を置く宣教団体アンチャーテッド・ミニストリーの報告によると、彼らが「リディア」と呼ぶ若いムスリム女性が、主イエスを信じて神の家族となった。
彼女が信仰の決心をするとき、肉親の顔が思い浮かんだそうだ。というのも、ムスリムは改宗を禁じており、厳格なムスリムは親族の手によってその改宗者を殺める。これは一族から不名誉の恥を取り除くためで、名誉殺人と呼ばれている。
リディアにはIS(イスラム国)の戦闘員としてリビアにいる兄弟がおり、彼女はその兄弟に、自分がキリスト信者になる決心をしたことを電話で告げた。彼は「つらいことだが、始末をつけるために帰らざるを得ない」と彼女に答えた。
親族によって命を狙われる立場になったリディアは、翌週、他の3人のスンニ派ムスリムと共に洗礼を受けた。しかし驚いたことに、共に洗礼を受けた3人は、実は彼女の伝道による改宗者なのだ。
リディアは今、安全な場所にいるが、厳格なムスリムが信仰を決心するとき、命の危険ばかりか、愛する肉親にその命を狙われるのだ。文字通りすべてを捨てる覚悟なしに信仰を持つことはできない。
今、中東世界では、リディアのような改宗した若者が立ち上がり、力強く福音宣教に励んでいる。彼ら命懸けの兄姉たちのために、力を尽くして祈っていただきたい。
■ シリアの宗教人口 ※内戦前統計
イスラム 90%
プロテスタント 0・2%
カトリック 3・1%
正教系 3・0%