中国共産党が1日、創立100周年を迎えた。北京市内の天安門広場では同日午前、記念式典が開催され、約7万人が参加。党中央委員会総書記の習近平国家主席が約1時間にわたる演説を行い、中国を世界屈指の大国に導いた党の功績を強調するとともに、台湾や香港の問題にも触れ、外国勢力に対抗する姿勢を鮮明にした。
中国共産党は近年、キリスト教会など党の脅威になる宗教組織や少数民族などへの圧力を強めているが、政府系の教会の中には党創立100周年を記念する行事を開催し、党への強い支持を示したところもあった。
米迫害監視団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC、英語)によると、中国政府公認のカトリック教会「中国天主教愛国会」(CPCA)の重慶市の組織である「重慶天主教」は5月、「中国共産党への感謝と賛美 聖母マリアにささげる巡礼」とする行事を開催。関係者が市内のカトリック教会を訪問し、訪れた教会の一つで「中国共産党への感謝と賛美のミサ」を行った。
ミサを執り行った丁楊司祭は、「教会は『愛党、愛国、愛社会』と信仰を有機的に結合させ、大胆に政治を語るとともに、法にのっとって信仰を語るべきです」と述べたという。
6月末に廃刊に追い込まれた香港紙「蘋果日報」(リンゴ日報)の6月初めの報道によると、CPCA副主席で中国人民政治協商会議全国委員会の委員でもある劉元龍氏は、5月に発表した声明で「神は中国共産党を選ばれた」と強調した。劉氏は、旧約聖書の箴言11章14節「指導しなければ民が滅びるが、参議が多ければ救われる」を引用し、中国共産党への全面的な支持を表明。習氏率いる同党に「われわれは耳を傾け従う」とした。
また、CPCA主席で山東省・臨沂(りんぎ)教区主教の房興耀氏は別の声明で、「カトリックの中国化を進めていく」と表明した。
中国共産党は記念式典の開催前、北京を中心に中国全土で警備を強化。3月中旬から、民政部、中央宣伝部、中央政法委員会など18の機関が共同で、「違法な社会組織」を取り締まるための3カ月半の特別キャンペーンを行った。中国国営の新華社通信によると、500以上の「違法な社会組織」が特定され、調査対象になったという。