新型コロナウイルスワクチンの職域接種が、一部のキリスト教主義大学でも始まる。企業や大学などで行う職域接種は、申請が殺到したことからワクチンの供給不足が懸念されているが、同志社大学(京都市)では、すでに確定している供給分の接種が7月1日から始まる予定だ。また、青山学院大学(東京都渋谷区)では、東京都と連携する形で共同接種会場が設置され、都内の同大以外の学生や教職員も対象に接種を行う計画が進められている。
同志社大学の発表によると、同大では現在、計1900回分のワクチン供給が確定しており、7月1日と2日に今出川キャンパス(各日450回分)で、同8日と9日に京田辺キャンパス(各日500回分)で接種を行う。しかし、国側がワクチンの配分調整を行っていることから、それ以降の供給日や供給量は未定だという。そのため、学生・教職員それぞれに付与されている個人メールアドレス宛てに予約のためのIDを段階的に通知し、予約を受け付ける体制を取っている。ワクチンは週単位で追加納入される見通しで、供給が確定し次第、随時接種実施日時を決め、予約システムにも反映していくという。
青山学院大学では、都内の同大以外の学生や教職員も受け入れる共同接種会場を青山キャンパスに設置する計画が進められている。発表によると、接種対象は、1)同大と同女子短大の学生、同大・同女子短大を含めた学校法人青山学院が設置する学校の教職員、2)都内の同大・同女子短大以外の大学・短大の学生・教職員、3)都内在住の大学・短大の学生で、いずれも自治体発行のワクチン接種券を有し、共同接種会場での2回の接種を希望する人。接種開始は7月下旬を予定している。
この他、立教大学(東京都豊島区)や上智大学(同千代田区)、明治学院大学(同港区)、関西学院大学(兵庫県西宮市)などは、大学のホームページで各大学の学生や、各大学を運営する学校法人の教職員などを対象とした職域接種を実施すると発表しており、いずれも接種は7月中旬~下旬以降に開始予定としている。
その一方で、桜美林大学(東京都町田市)や聖学院大学(埼玉県上尾市)などは、職域接種を検討したものの、接種を行う医師や看護師を大学独自で確保するのが困難な状況だとして、現時点での実施見送りなどを発表している。
自治体の負担軽減や接種の加速化を目的に、政府は職域接種を21日から本格的に開始した。しかし、申請が殺到したことから25日に新規受け付け停止を発表。ロイター通信によると、菅義偉首相は30日に開かれた関係閣僚会議でも新規受け付け停止を継続すると述べ、すでに受け付けた申請については「精査の上対応する」とした。首相官邸の発表によると、職域接種の申請は、新規受け付けを締め切った25日午後5時時点で、累計5202会場、約1821万人分に上っていた。