ザアカイという人が・・・いちじく桑の木に登った。・・・イエスは、ちょうどそこに来られて、上を見上げて彼に言われた。「・・・きょうは、あなたの家に泊まることにしてあるから。」ザアカイは・・・大喜びでイエスを迎えた。これを見て、みなは、「あの方は罪人のところに行って客となられた」と言ってつぶやいた。ところがザアカイは立って、主に言った。「・・・私の財産の半分を貧しい人たちに施し・・・だまし取った物は、四倍にして返します。」イエスは、彼に言われた。「きょう、救いがこの家に来ました。・・・人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです。」(ルカの福音書19:2~10)
当時、ユダヤはローマ帝国の支配下にあり、人々は敵国であるローマに税金を納めていました。取税人の頭であるザアカイはローマの手先として働き、私腹を肥やしていたので、人々に嫌われていました。イエスがお通りになるといううわさを聞いたザアカイは、その姿を見たいと、いちじく桑の木に登ります。彼は背が低かったからです。すると予期せぬ出来事が起こりました。ザアカイは、イエスに見いだされたのです。彼は大喜びでイエスを家に招き、大宴会を開きました。そして「財産の半分を貧しい人たちに施し、だまし取った物は、4倍にして返します」と宣言します。具体的な償いをすることで、自分の悔い改めを表現したのです。この救いの物語から、信仰を具体的に働かせる4つのことを確認しましょう。
1. 良い思いが与えられたら、すぐに行動する
「思い立ったが吉日」ということわざがあります。私たちは、心の中に神様から良いアイデアや思いが与えられたなら、すぐに行動しましょう。私たち日本人は慎重で、良いアイデアがあっても、なかなか行動に移しません。私もその典型的なタイプで、神様が与えてくださった良いチャンスを、何度逃してきたのだろうと思います。ザアカイは、イエスを信じて生きるという思いが与えられたときに、見よう見まねではありますが、即、信仰を告白したのです。パウロも貧しい諸教会を支える献金について、ささげる思いが与えられたのなら「今、それをし遂げなさい」(2コリント8:11)と語っています。神様から与えられたチャンスを逃さず、すぐに行動する者でありましょう。
2. 身近なところで信仰を具体化する
ザアカイは、この世のことはすべてお金でしか考えない守銭奴でした。彼は、自分にとって一番身近なお金のことを通して、信仰を告白しました。私たちも、立派で清らかな目標でないといけないと思わなくてよいのです。1日1回聖書を読む、1日に1つ聖句を暗唱するなど、自分にとって1番身近で分かりやすい目標を立て、信仰を具体化していきましょう。
3. 信仰を言葉で告白する
信仰が働くためには、神様に対してはっきりと言葉で信仰を告白することが大切です。また、神の家族である兄弟姉妹に分かち合い、祈りで応援していただきましょう。聖書の信仰は、言葉にこだわります。心の中でただ思いを持っているだけでなく、言葉にしましょう。ですが、何を告白するかによって、私たちの生きざまは変わってきます。不平不満や人の悪口、諦めばかりを告白していると、罪の力に苛(さいな)まれる人生に陥ってしまうのです。ついさっきまで悪人だったザアカイは、イエスの愛に触れて、はっきりと信仰を言葉で告白しました。私たちも、主に信仰を言葉で告白しましょう。
4. 信仰を受け止めてくださる主
主は、神の御座から失われている罪人を探し出し、神の恵みからこぼれている罪人を救うためにこの世に来たと宣言しておられます。私たちは、なぜ信仰を働かせるべきなのでしょうか。それは、私たちの信仰を受け止め、それ以上の恵みで祝福してくださる主が、今も生きて働いておられるからです。どんなに私たちが弱くても、主は救ってくださるのです。
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