世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(植松誠理事長)は20日、国会で地球温暖化対策に国を挙げて取り組む決意を示す「気候非常事態宣言」が決議されたことを受け、歓迎する声明を発表した。
決議は「もはや地球温暖化問題は気候変動の域を超えて気候危機の状況に立ち至っている」と指摘。「一日も早い脱炭素社会の実現に向けて、経済社会の再設計・取り組みを抜本的に強化し国を挙げて実践していく」としている。
WCRP日本委は声明で、「日本における自治体や組織、団体の気候非常事態宣言の決議をさらに促すものであり、また国際社会においても日本の気候危機に対する真摯(しんし)な姿勢を示すもの」と決議の意義を強調した。
その上で、▽日本政府がこの宣言に基づき、気温上昇を1・5度に抑制するための具体的な実行計画を早急に策定すること、▽さらに多くの自治体、団体、組織において「気候非常事態宣言」を決議すること、▽菅義偉首相が表明した2050年脱炭素社会の実現に向け、市民、宗教者、行政、財界、メディア、学会などが協力しながら具体的な行動を取り組むことの必要性を表明した。
WCRPは昨年8月、ドイツで第10回大会を開催。125カ国から宗教者約千人が参加し、歴史上前例のないスピードと規模で気候危機に取り組む意識を共有し、宗教が持つ道徳的、社会的、精神的な資源を最大限活用してこの問題に立ち向かうことを誓い合った。声明では「諸宗教者が集う連合体として、引き続き、さまざまな国際ネットワークと共に、祈りと平和の行動を通して、早期の脱炭素社会の実現に力を尽くす決意を新たにします」としている。