90年代末期、旧ユーゴスラビア連邦内で起きたセルビア系住民のアルバニア系住民に対する民族浄化に、当時NATOが空爆で軍事介入し連日報じられたコソボ紛争から、はや20年以上が経過する。
この紛争によって、互いに反目していたセルビアとコソボであったが、9月4日、米国の仲介のもと両国首脳がホワイトハウスで会談し、経済関係を正常化することで合意した。
コソボ共和国は2008年の独立宣言をもってセルビアから独立し、米国や日本、多数のEU諸国など110カ国から国家承認されている。しかし当事国のセルビアはじめ、ロシアのほか、スペイン、ギリシャ、中国など、国内に分離独立運動を抱える多くの国々が、コソボを国家として承認していない。
この会談では、コソボとイスラエルの国交樹立も確認され、セルビア・コソボともに、エルサレムをイスラエルの首都と定め、両国の大使館を移転することも決定した。11月の大統領選を控える米トランプ大統領にとって、目覚ましい外交成果が続いている。
いずれにしてもかつて民族浄化にまで及んだ両国両民族が和解の一歩を踏み出したことは喜ばしいニュースだ。
今後の両国がさらに平和的に発展し、福音宣教が前進するように祈っていただきたい。
■ コソボ共和国の宗教人口
イスラム 80%
正教関係 6%
カトリック 4%
プロテスタント 0・1%
無宗教 10%