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難民・移民

ドイツのカトリック教会、所有施設からロマの難民家族4組を強制退去

2016年8月23日18時21分
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関連タグ:ドイツ難民カトリック教会ロマ
ドイツのカトリック教会、所有施設からロマの難民家族4組を強制退去+
ハンガリーの首都ブダペストの駅で寝泊まりする難民。その多くはドイツを目指しているという=2015年9月4日(写真:Elekes Andor)

ドイツのカトリック教会は、7月初めから南部バイエルン州レーゲンスブルクにある同教会所有の聖エメラムコミュニティーセンターに避難していたロマの難民家族4組を退去させた。この家族はバルカン半島出身で、子ども5人と生後6カ月の乳幼児も含まれていた。

ドイツ国際放送「ドイチェ・ヴェレ」によると、この問題をめぐっては1カ月余り、議論や抗議行動が続いていたが、カトリック教会は最終的に、コミュニティーセンターに避難していたロマの難民家族4組を不法侵入罪で告発し、食糧の供給を停止した上で、難民支援者たちにも食糧を運んでくることを禁じる措置を取った。

今月8日夜、大勢の警察官が建物の外を包囲する中、避難していた難民家族4組はコミュニティーセンターを自発的に去っていった。

教会の広報担当者ジェイコブ・スコッツ氏は、英国クリスチャントゥデイに、その家族たちが「ドイツ国内に永住することを希望していた」と語った。しかしスコッツ氏は、「これは政府の課題であって、カトリック教会の課題ではない」と言い、教会がその家族たちに「あなたがたを助けることはできます。しかし、それはほんの数日間だけです」と伝えていたことを明かした。

コミュニティーセンターを管轄する教区は声明で、「抗議行動」が今、終結したと伝えた。「コミュニティーセンターに避難していた難民の最後の16人が去り、今、当局へ行く途中です。後の問題は政府が対応するでしょう。現在、コミュニティーセンターは再び教会のために使用可能です。そのために必要な修復作業を開始することができます」

退去した家族たちは、政府の用意した宿泊施設に戻った。スコッツ氏は英国クリスチャントゥデイに、「私たちはこの難民家族たちに、『あなたがたは政府と話す必要がある』と言いました。私たちは5週間も待ち、日々、彼らに政府の宿泊施設に戻るよう勧めました」と語った。

教区は5日、どうしても立ち退こうとしないこの家族たちを不法侵入罪で告発した。緊急時の医療措置は可能とした上で、「圧力を強める以外に彼らを退去させる方法がありませんでした」と説明していた。一連の騒動後、コミュニティーセンターを去った難民家族4組は合計で16人。難民約50人が避難していた7月中旬のピーク時からは、ずいぶんと減少していた。

最後まで残っていた4組の家族は4日、教区が「満たすことはできない」とする条件を出した。

バイエルン難民協議会のステファン・デュンバルト氏によると、その家族たちはドイツ国内に留まることができる何らかの保証を求めたという。

同協議会の声明(7日付)によると、難民家族のうち3組は、「選択肢がない」として、母国(セルビア、マケドニア、コソボ)へ戻りたいと話していた。もう1組の家族は、ドイツ南部のバーデン・ビュルテンベルク州では「居住が許可された立場」にあるため、そこに戻りたいと語ったという。

難民家族たちは、自発的な退去に同意したことへの見返りとして、準備が整うまで教会が食糧を供給してくれることと、カトリックの慈善団体カリタスからの援助を求めていた。

同協議会は、その難民家族たちがコミュニティーセンターを安全に退去できるように教会が援助しなかったとして、教会側を「言語道断」だと非難した。

「もしカトリック教会がその難民たちの自発的退去を確実にすることを望んだのだとしても、他に取れる方法があったはずです」と、同協議会のゴットホルト・シュトレイトベルガー氏は述べた。

シュトレイトベルガー氏は8日、コミュニティーセンターへ入ろうとしたが、教会から妨害されたという。同氏によると、カトリック教会は警備員に対し、食糧が運び込まれるのを止めなかった場合、解雇すると脅していたという。「ある難民支援者たちが食糧を持って来ました。しかし、警備員たちはそれを持ち込むことはできませんと、丁重に断りました。それで人々は食糧を外に置いて去りました。おなかをすかせた難民の子どもたちが出てきて、その食糧を取ろうとしましたが、それも禁止されていたのです」

一方、教会のマイケル・フックス司祭は、その家族たちが子どもたちを不当に利用したと非難した。「困窮した状態にある親は普通、自分の子どもを争いや公の目にさらされることから遠ざけようとします。しかしその難民の子どもたちは、最初から抗議行動の旗持ちをさせられ、その抗議行動が人々の目に留まりやすくなるためのカメラの被写体として利用されました。そして自分の親がコミュニティーセンター内で自殺した場合は、孤児になってしまうかもしれないと恐れながら、親の意のままに利用されていたのです。誰よりもその子どもたちのために、身勝手な親たちの抗議行動は直ちに終結しなければならなかったのです」

しかし、シュトレイトベルガー氏は、1カ月にわたるカトリック教会と難民家族たちの膠着(こうちゃく)状態にこそ、問題を難しくさせた原因があると指摘した。「警察がそこを完全に包囲してから約8日、あるいは10日の期間があったことを思い出す必要があります。大量の警官が配置され、コミュニティーセンターへの接近は全く不可能でした」

シュトレイトベルガー氏は、「時間だけが過ぎていく中、コミュニティーセンター内に避難している難民たちは絶望していきました。そして状況がエスカレートしたのです。ある者は集団自決をほのめかし、自分たちがそこを去るときは、遺体になってであろうと言い、彼らの子どもが孤児になると言いました。しかしそれは10日ほど前のことで、難民たちは思い直し、自分の言葉を取り消したのです」と語った。

※ この記事は、英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。
関連タグ:ドイツ難民カトリック教会ロマ
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