日本キリスト教協議会(NCC)元総幹事の東海林勤(しょうじ・つとむ)氏(日本基督教団牧師)が死去したことを受け、世界教会協議会(WCC)は2日、公式サイトに追悼の記事(英語)を掲載した。
東海林氏は、1978年から85年までの3期にわたってNCCの総幹事を務め、特に韓国の民主化運動支援に尽力。東アジアの正義と平和の問題に深く関わった。さらに、NCCの平和・核問題委員会などのメンバーとして原発問題にも長く取り組み、国内だけでなく国際的な舞台でも、エキュメニカル運動に幅広く貢献した。
WCCのイオアン・サウカ暫定総幹事は、東海林氏について、福音に根ざした方法で分断された社会の癒やしに生涯をささげたと述べ、「私たちが彼の生涯を記念するとき、彼のレガシー(遺産)はすでに世界中で明らかです。私たちは、互いに守り合い、地域社会を癒やすことで、そのレガシーに敬意を払い続けます」と語った。
WCC国際問題教会委員会(CCIA)元局長のドウェイン・エップス氏は、「私たちの親友である東海林氏は、日本の教会だけでなく、世界のエキュメニカルな交わりにも祝福を与えてくれました。彼が永遠の安らぎの中で眠ることができますように」と、追悼の言葉を述べた。
CCIA執行幹事で、国連やNGOとの窓口的役割を担ってきたビクター・シュー氏は、東海林氏について、WCCやアジアキリスト教協議会(CCA)が、慰安婦問題や日本の憲法9条の問題に関心を持つようにした日本の最初期の教会指導者の一人であったと指摘。朝鮮半島の平和統一運動の先駆けとなった「東山荘会議」(1984年)で重要な役割を担ったことなどにも言及し、「彼がこれらのエキュメニカル組織を動かし、これらの非常に議論の多い問題に関与することに成功したことは、彼の永続的な貢献の一つとして記録されなければなりません」と語った。
東海林氏は8月25日、88歳で老衰のため死去。葬儀は、同31日に日本基督教団大泉教会(東京都練馬区)で近親者のみで執り行われた。