新人クリスチャンアーティストの発掘を目指す「G-POPコンテスト2020」の受賞者の発表が30日、日本CGNTVのスタジオで行われ、その模様がユーチューブでライブ配信された。グランプリに輝いたのは、宮城県で活動する高校3年生の Yume Matsuda さん。父である松田牧人牧師(オアシスチャペル利府キリスト教会)がゼパニヤ書3章17節をもとに作詞・作曲した「天のラブソング」を歌い、審査委員長の chiyo さん(サルーキ=)は「魂が震えた」と、そのソウルフルな歌声を高く評価し、将来の可能性に期待を寄せた。
新型コロナウイルスによるさまざまな制約がありながらも、全国から計52組が応募。1次審査を通過した19組の楽曲動画がユーチューブで1カ月間にわたって公開され、「いいね」の数による一般投票も採点に4割反映させる形で審査が行われた。審査員は、chiyo、竹下静、ナイトdeライト、チェ・ドクシン、塩谷達也の現役G-POPアーティスト5組。ライブ配信では、妹尾光樹牧師(純福音成田教会)とゴスペルシンガーの神山みささんが司会を務め、19組のファイナリストはオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を利用して参加した。審査員の現役アーティストたちがゲストとして事前収録した映像で出演し、審査委員長の chiyo さんと副審査委員長の竹下静さんは、当日も会場に駆け付けた。
クリスチャンホームの4人きょうだいの長女として生まれた Yume Matsuda さんは、音楽好きな松田牧師の影響もあり、小さな頃からゴスペルなどを聞いて育った。しかし、5年にわたる不登校を経験。そんな試練の中でイエス・キリストに出会い、高校2年生で洗礼を受けた。現在はボイストレーニングをしながら、ピアノやギター、ウクレレを練習しているという。アーティストとしての活動歴はまだなく、受賞について「本当に信じられないです。びっくりしました」と喜びを露わにした。
chiyo さんは、「誰をグランプリにするかすごく悩みましたが、コンテストの原点はダイヤモンドの原石を探すこと。まだ17歳で、少し荒削りのところもありますが、審査員5人が共通していたのは『輝いたものがある』ということでした」と言い、その歌声と歌唱力から将来の活躍への期待を語った。
G-POPコンテスト初代グランプリで、同じく宮城県出身の竹下静さんは、「故郷のメンバーがグランプリを取ってくれたのはすごくうれしい。素晴らしい声が与えられているので、これからもどんどん磨き続けて」と言い、「マイペースに自分らしく賛美を続けていってほしい」とエールを送った。
準グランプリには、同じく牧師家庭に生まれた長女と次女による姉妹ユニット「SAKURA&KOKORO」が選ばれた。教会では小学生高学年の頃から賛美の奉仕をするようになり、詩篇8篇1節を基にしたオリジナル曲「イエスの御名にまさるものはない」を歌唱。chiyo さんは「一言で言うと、これ以上ないくらいに麗しいワーシップ。見ている人たちが霊的に引き上げられるよう」と言い、審査員全員が一致して高く評価したことを明かし、「これを機会に日本のワーシップ界をリードする存在になってほしい」と期待を込めた。
今回はグランプリ、準グランプリの他に、スポンサーである宣教団体「ホライズン・グローバル・ネットワーク」(HGN)による特別賞も設けられた。HGNベストオーディエンス賞には、米テキサス州にある聖書学校「クライスト・フォー・ザ・ネイションズ学院」(CFNI)留学中に出会った村田光希さんと佐藤めぐみさんによるユニット「Light Hope」が選ばれた。また、HGN審査員特別賞は、関西の超教派青年集会のワーシップチームが今回のために結成した5人組バンド「SUSAGEMONO(ささげもの)」と、最年少エントリーとなった7歳の成松マヌエラちゃんに贈られた。
G-POPコンテスト2020はもともと、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、今夏に予定されていた「東京プレイズフェスティバル」のプログラムとして企画された。しかし、新型コロナウイルスの影響により、オリンピックが来年に延期されたことで、フェスティバルも延期に。それでも若手アーティストのために機会を提供したいと、コンテスト単独での開催を実現させた。スタジオを提供し技術的な協力をしたCGNTVも、ライブ配信は今回が初めてだったという。
司会の妹尾牧師は「神様への賛美に優劣はない」と言い、「このコンテストを通して、日本のワーシッパーたちの実力がさらに向上して世界レベルになり、互いの信仰がますます高められれば」と語った。受賞者にはそれぞれ副賞が贈られ、グランプリ、準グランプリ受賞者は今後、レコーディングと海外イベントへの出演が予定されている。