世界4億8000万人のキリスト教福音派を代表する教会の連合組織である世界福音同盟(WEA)の総会が25日、タイのパタヤで始まった。100カ国以上から500人を超える参加者が集まり、今後のビジョンについて分かち合い、ビジョン達成のための5カ年計画を決めるほか、今日の最も緊急を要する世界的な諸問題に対して福音的な立場による応答を提示する。総会は30日まで続く。
7年に1度の開催となる総会で、WEA代表のジェフ・トゥニクリフ国際ディレクターは、「我々は、この世界においてキリストの体としての働きをするための新鮮なビジョンと、そのための献身が必要だ。このビジョンと献身は、我々の必要不可欠な使命、歴史的な使命、福音の変革へ向けた焦点を映し出すものである」と説明。「我々には新しく新鮮なビジョンが求められている」と強調した。
初日の25日には、タイのカンダ・ヴァジュラブハイヤ副事務次官も参加し、貧困の撲滅やHIV・エイズ、人権問題、児童の保護、女性の人権問題など、キリスト者とタイ政府がもつ共通の関心分野について指摘。「WEAは、我々が社会的弱者を助け、守り、力づけ、またこの国において不利な条件にあると見なされている人々の生活環境を改善するための計画を実行する上で重要な組織」と語った。
また、ヴァジュラブハイヤ副事務次官は、「今年、キリスト教の宣教師がタイに訪れてから180年目を迎える」「これまで、キリスト者らは教育や技術、医療に関わる知識を持ち込んできてくれただけではなく、タイの人々を助ける学校や大学、病院などの社会基盤を確立してくれた」と、キリスト教徒がこれまでタイにもたらした働きに感謝を示した。
今回の総会には、ペンテコスタル世界会議(PWF)、世界改革教会連盟(WARC)、中国基督教協会(CCC)のほか、メノナイトやカリスマ派、多くの主流派諸派から代表が参加。キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(CCC)や、ローザンヌ世界宣教委員会(LCWE)、世界宣教米国センター(USCWM)などの宣教団体からも代表が送られている。
トゥニクリフ氏は、総会の内容を一冊の書籍としてまとめて出版する計画も示し、「我々は恵みの共同体。我々は互いに我々の愛を実行し、互いに愛し合ったイエスの弟子となることがどういうことなのかを生きながら示そうとしている」と語った。