現代キリスト教賛美(CCM)で世界的に知られるオーストラリアのヒルソング教会が、同国で猛威を振るう森林火災の救援活動のために寄付を呼び掛け、100万豪ドル(約7600万円)を超える支援金が集まった。
ブライアン・ヒューストン主任牧師は9日夜、同教会の呼び掛けに応じ、100万3988・52豪ドル(約7611万円)が集まったとインスタグラム(英語)で報告。「私たちは、救世軍やフードバンク、ボランティアの消防士、またこの地で直接的な支援を行っている人々と共に(森林火災に)取り組みます」と述べた。
また同教会は10日、ウェブサイト(英語)に森林火災の救援活動に関する最新情報を掲載。「国内外のあらゆる層の人たちから寄せられた愛と心遣い、深い関心と寄付は驚異的で頭の下がるものです」と、寄付者に謝意を示した。
「私たちは過去数週間、教会として被災者や救急隊員に救援物資を手渡してきました。彼らは火災の通り道にある家屋や土地、家族を保護するために休日を返上して休みなく働いています」
そして最後には、「私たちの国とその指導者、消防士、被災地域のために引き続きお祈りください。また、雨が降って焼け焦げた土地の干ばつが終わるようお祈りください」と要請した。
オーストラリアの森林火災は、多くの住民が避難を余儀なくされていることや、コアラやカンガルーなど同国特有の動物たちにも壊滅的な被害が出ていることで、世界的な注目を集めている。米メディア「ヴォックス」(英語)によると、昨年秋から続く火災により、これまでに少なくとも27人が死亡、約2千軒の家屋が焼失した。また、焼失面積は少なくとも1790万エーカー(約720万ヘクタール)に上り、同国史上最悪の規模となっている。さらに、火災によって10億匹余りの動物たちが死んだと推定されている。
特に被害が大きいのは、東海岸のニューサウスウェールズとビクトリアの両州。米公共ラジオ局(英語)によると、両州では2つの森林火災が合体し、米カリフォルニア州で記録された森林火災の3倍の規模に当たる「メガファイア」が発生した。また、米航空宇宙局(NASA)は、火災による煙が下部成層圏に達し、太平洋を横断してチリまで到達した様子を示す動画を公開するなどしている。