キリスト教に改宗した65歳のイラン人女性が最近、「体制に反するプロパガンダ」を拡散させ、国家の安全保障に反する行為を行ったとして、禁錮1年の判決を受けた。
キリスト教支援団体「国際キリスト教レスポンス」(ICR、英語)によると、禁錮1年の判決を受けたのは、マフロク・カンバリさん。昨年のクリスマス前に、イランの諜報員3人がカンバリさんの自宅に押し入り、カンバリさんを逮捕。自宅からは、携帯電話のほか、聖書やキリスト教用品などが没収された。
カンバリさんは、10日間にわたる取り調べを受けた後、保釈金を払って保釈されたが、今年1月に起訴された。また、イスラム教信仰に立ち返るため宗教指導者と面会するよう強制されるなどしたという。
7月27日に首都テヘラン近郊キャラジのイスラム革命裁判所で審理が行われ、カンバリさんも出廷したが、同29日に禁錮1年が命じられた。同裁判所はイラン国内で、政治や麻薬、宗教、経済に関わる犯罪を扱う裁判所。
イランには、キリスト教信仰のために逮捕されたクリスチャンが多数おり、カンバリさんはその中で最も最近に逮捕された一人。
迫害監視団体「米国オープン・ドアーズ」は、迫害のひどい国をまとめた「ワールド・ウォッチ・リスト2019」(英語)で、イスラム教徒が多数派を占めるイランを、迫害がひどい9番目の国に位置付けている。イランには、キリスト教の牧師や信徒を逮捕してきた長い歴史がある。
「体制に反するプロパガンダ」の拡散は、イランではよく見られる罪状だという。5月には、キリスト教に改宗した別の2人が同じ理由で禁錮1年6月と1年の判決を受けている。2人はどちらも家の教会に関わっていた。