米ライフウェイリサーチの最近の調査で、多くの米国人クリスチャンは、教会における人間関づくりはうまくいっているが、他の信者が信仰的に成長するのを助けるためにあまり時間を使っていないことが明らかになった。
ライフウェイリサーチは8日、クリスチャンによる弟子づくりに関する動向調査の結果(英語)を発表した。調査は、2500人余りのプロテスタント信者を対象に、1月14日から29日までオンラインで行った。
調査結果によると、「教会の人たちと有意義な人間関係を築いてきた」という項目に対し、78%が「強く同意する」または「ある程度同意する」と答えた。一方、「まったく同意しない」または「あまり同意しない」と答えた人は8%のみで、「どちらとも言えない」と答えた人は14%だった。
4分の3以上が、教会で有意義な人間関係を構築してきたことに同意する一方、「他の信者が信仰的に成長するのを助けるために意図的に時間を使っている」ことに、「強く同意する」または「ある程度同意する」と答えた人は、47%しかいなかった。34%は「どちらとも言えない」と答え、19%は「まったく同意しない」あるいは「あまり同意しない」と答えた。
他者との関係性について、ライフウェイリサーチのスッコト・マコーネル代表は次のように語る。
「教会に通う人の多くが、優先度の高いものとして考えてはいないのですが、人間関係にはまた別の側面があります。神への愛を示す方法の一つは、他の信者のために何かをしてあげることです。人間関係にあるのは相互利益だけではありません。人間関係は、積極的に他人の信仰に関心を持つことでもあるのです」
教派別に見ると、黒人系(24%)や福音派(21%)の方が、主流派(12%)よりも、他の信者の霊的成長のために時間を使う傾向にある。また人種別に見ると、ヒスパニック系が32%で最も高く、次いでアフリカ系(22%)、白人(17%)、その他(17%)となった。
マコーネル氏は「有意義な人間関係を形成しにくい米国の文化においても、信者の大半が少なくともある程度、教会で友人をつくることに成功しています。しかし多くの人たちは、必ずしもそういった人間関係において、自分が(他の信者の霊的成長を助けられる)重要な存在であるとは考えていないのです」と言う。
調査ではこの他、教会が行う聖書研究会や各種の学び会などに参加するクリスチャンが少ないことも分かった。
聖書研究会や各種の学び会にまったく出席しないと回答した人は38%で、月4回出席すると答えた人は22%だった。月1〜3回出席すると回答した人は28%で、月5回以上出席すると回答した人はさらに少なく13%だった。教派別に見ると、まったく出席しないと回答した人は、主流派(48%)が最も多く、黒人系(36%)や福音派(35%)と比べて諸集会への出席率が低かった。
「教会史の大部分において、小集会や学び会は、出席者が他者とつながったり、聖書を学んだり、共に奉仕したりするのに最も効果的な方法の一つです」とマコーネル氏。「小集会という方法は、人間関係の構築にも役立ちますし、霊的成長にも役立つのです」と言う。
ライフウェイリサーチは、南部バプテスト連盟の出版部門「ライフウェイ・クリスチャン・リソーシーズ」の一部門。今年初めには、プロテスタント信者の半数以上が過去半年間に一度も伝道に関わっていないという調査結果も発表している。マコーネル氏はその際、「すべての国の民を弟子にするという任務は、米国の教会に完全な形では受け入れられていません」と述べていた。