ニュージーランド(NZ)南島東部にある同国第2の都市クライストチャーチのモスク(イスラム教の礼拝所)2カ所で15日、銃乱射事件が発生した。これまでに40人が死亡し(続報:17日までに死者は50人となった)、容疑者4人が拘束された。犠牲者には子どもも含まれていると伝えられている。
事件が発生したのは、クライストチャーチのディーン通りにある「マスジド・アルヌア」と、リンウッド通りにある「リンウッド・マスジド」の2つのモスク(マスジドはアラビア語でモスクの意)。この日はイスラム教の金曜礼拝が行われており、両モスクとも礼拝者で混雑していたという。
NZの大手メディアサイト「スタッフ」(英語)によると、NZのジャシンダ・アーダーン首相は、現地時間同日午後7時(日本時間同3時)までに40人が死亡したと発表。「現時点ではっきりしていることは、これがテロリストによる攻撃だということ」と語り、事件は非常によく計画されたものだったと述べた。
地元の保健当局によると、被弾した負傷者48人が現在、クライストチャーチ市内の病院で手当を受けている。
拘束された容疑者は男3人と女1人の計4人。西オーストラリア新聞(英語)によると、このうち男1人はオーストラリア人のブレントン・タラント容疑者(28)。タラント容疑者は、フェイスブックで襲撃の様子を生中継し、インターネットの掲示板には事件に関する37ページにわたる声明を投稿していた。声明では、自身について労働者階級の低所得家庭に生まれたと紹介し、犯行の理由について「外国からの侵入者によってもたらされた数千人の死」に対する報復などと述べている。
ニュージーランド・カトリック司教協議会は事件を受け、ツイッターに以下のコメントを発表した。
「ニュージーランドのイスラム教コミュニティーの皆様、クライストチャーチのモスクにおけるイスラム教徒に対する暴力の恐ろしいニュースを聞き、私たちは皆さんのことを祈りのうちに抱いています。このような暴力に直面する中で、皆さんに対する私たちの連帯があることを覚えてくださることを願っています。平安を、サラーム(イスラム教徒のあいさつの言葉)」