新鋭の奥山大史監督(23)が青山学院大学在学中に制作した長編映画デビュー作「僕はイエス様が嫌い」(英題:JESUS)が、2月20日から3月3日まで開催されたアイルランドの第17回ダブリン国際映画祭で最優秀撮影賞を受賞した。
本作の国際映画祭での受賞は、第66回サンセバスチャン国際映画祭での最優秀新人監督賞、第29回ストックホルム国際映画祭での最優秀撮影賞、第3回マカオ国際映画祭でのスペシャル・メンション賞に続き4度目。出品されたすべての国際映画祭で受賞する快挙を成し遂げた。すでに国内では、5月31日からTOHOシネマズ日比谷ほかで全国順次ロードショーされることが決定している。
主人公は、祖母と一緒に暮らすために、東京から雪深い地方のミッション系小学校に転校してきた少年ユラ。日々の礼拝に戸惑うユラだが、目の前に小さなイエスが現れる。他の人には見えないけれど、願い事を必ずかなえてくれるイエスを信じ始めたころ、ユラに大きな試練が降りかかる――。
ユラにしか見えない小さなイエス役は、オーストラリア出身のお笑い芸人、チャド・マレーンさんが演じる。そのユーモラスなシーンは、国際映画祭でも好評だったという。
今回の受賞に当たり、ダブリン国際映画祭ディレクターのグロニー・ハンフリーズ氏は、「まるでお菓子のウエハースのようにチャーミングで風変わりなイエス様。奥山大史は孤独な少年と彼の想像上の友人についてのかわいらしい寓話(ぐうわ)を作り上げた」とコメントしている。
本作で監督、撮影、脚本、編集をすべて担当した奥山監督はこれまでに、撮影監督として「過ぎていけ、延滞10代」(2017年)や「最期の星」(18年)の撮影を担当したほか、GUのテレビCMやLOFTの企業ムービーの撮影も担当。本作と同じく学生時代に監督した短編映画「Tokyo 2001/10/21 22:32~22:41」(主演:大竹しのぶ)は、第23回釜山国際映画祭に正式出品され、大きな注目を集めた。