陽気な心は健康を良くし、陰気な心は骨を枯らす。(箴言17:22)
「一日一笑」。これが私のモットーである。
檻の中のオランウータンが、観客がやる簡単な手品をガラス越しに見て、両手を叩いて仰向けにひっくり返り大笑いしているシーンをユーチューブで見た。そんな些細なことで大笑いできるオランウータンをうらやましいと思う。
弁護士という職業柄、法廷闘争を含めて戦う場面が多い。毎日が緊張の連続で、1日に1度も笑わないこともある。朝の裁判に出廷する日は、家を出る前から戦闘ムードに入ってしまい、道行く人たちをにらみ付けて歩いている自分を意識することがある。鬼検事ならぬ鬼弁護士である。
では、闘争心旺盛で闘ったら良い結果が出るかというと、必ずしもそうでもない。相手も感情的になりとことん闘ってくるから、途中で話し合いによる和解ができない。そして、勝っても負けても、どちらかが納得できず、控訴、上告までいってしまうことが多い。
悪と闘うことは必要である。でも、闘いの最中にあっても、こちらが穏やかにして、時には笑顔で対応していると、相手も穏やかになり、自然体で話し合いが進み、あっという間に問題が和解することもある。
というわけで、「1日に1度はお腹の底から笑おう!」と決心して、「一日一笑」を心掛けている。本当は、「笑えない時ほど笑うべき」なのだ。
「病は気から」と言うが、病気の主な原因は、心配、不安、恐れ、怒り、ねたみ、憎しみなどの暗い思いに支配されていることにあると思う。
逆に、「笑う門には福来たる」と言うように、神の究極の勝利を確信して、平安、愛、喜び、希望、赦(ゆる)し、寛容、忍耐などの明るい気持ちに満たされ、いつも笑っていれば、病気にもならない。おかげで、私はもう50年近く病院に行ったことがない。
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