聖書から着想を得た動画作成のアイデアや技術を競う「第3回聖書動画コンテスト・アワード」が14日、ユナイテッド・シネマ豊洲(東京都江東区)であった。48の応募作品の中からノミネートされた20作品が上映され、ヨハネによる福音書3章16節をテーマに6人のクリスチャンをインタビューした柳義賢(ユ・イヒョン)さんの作品が最優秀賞に輝いた。
聖書動画コンテストは、聖書の普及事業を行う日本聖書協会が一昨年から毎年この時期に開催している。今年は、特定の組織、団体のCMとなる1分以内の動画を対象としたCM部門から4作品と、ジャンルを問わず聖書を基礎とする3分以内のドキュメンタリーやオリジナルストーリーの動画を対象としたショートフィルム部門から16作品がノミネートされ、最優秀賞1作品と優秀賞3作品のほか、作品賞5作品、奨励賞11作品が選ばれた。
個性あふれるメッセージ性の高い作品が出そろう中、ミッションスクールの中高生や大学生の活躍が目立った。優秀賞に選ばれた梅花女子大学の学生による「やってみよう」は、同大のスクールモットーでもある「人にしてほしいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」との聖句通りのことを日常生活で実行してみたら、周囲から喜ばれ、自分もとてもいい気持ちになったという実体験を映像化した。同じく優秀賞に選ばれた関西学院高等部の生徒による「CROSS」は、相手を赦(ゆる)せない、弱く罪深い自分のためにイエス・キリストが十字架にかけられたというメッセージを、イエスの生涯を自分が追体験するというストーリーを挿入して分かりやすく伝える作品だ。
最優秀賞に選ばれた柳さんの「クリスチャンに質問してみました。」は、6人のクリスチャンがインタビューに答える形式で、自分がクリスチャンになってからの変化や、これからクリスチャンになる人々へのメッセージなどを語っていくというもの。シンプルな内容でありながら、映像技術に優れたメッセージ性の高い作品に仕上がっている。表彰式のインタビューで柳さんは、「皆さんのレベルが高くて自分が(最優秀賞を)もらうとは思わなかったので、すごく驚いた。動画として福音を、そしてイエス様を宣べ伝えたいという心が与えられているので、これからもいろんな作品を作っていきたい」と語った。
今年の審査員は、同協会副総主事の具志堅聖氏、福音ネット伝道協力会の小川政弘氏、日本基督教団横浜明星教会牧師の網中彰子氏、星美学園講師の小林由加氏が務めた。
ワーナー・ブラザース映画の製作室長として数多くのヒット映画を送り出してきた小川氏は総評で、「これからの時代は映像を通してますます福音を伝える可能性が、また需要が高まってくる。皆さんの感性を生かしてこれからも良い作品をぜひ作って、また楽しませていただきたい」とコメントした。
入賞作品はすべてユーチューブに配信される。早くも第4回の開催が決定しており、応募の受け付けを間もなく開始するという。問い合わせは同協会(メール:[email protected])まで。