「教会改革口実にキリスト教界を扇動」疑惑集中報道(3)
クリスチャン新聞編集顧問の根田祥一氏が編集長だった2004年、本紙に関する虚偽の情報を日本福音同盟(JEA)に提供した際、主な情報元となった韓国のキリスト教メディア「ニュースNジョイ」。その過激な論調だけでなく、鮮明な親北傾向が韓国のキリスト教界内でたびたび問題視されてきたが、このほど、さまざまな関係資料により、北朝鮮の朝鮮労働党の指導理念である「主体思想」を支持する韓国の政治運動「主体思想派」と密接に関係していることが浮き彫りになった。韓国クリスチャントゥデイによる集中報道第3回(7日付)を紹介する。(前回の記事はこちら)
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ニュースNジョイと深く関連した主体思想派民族解放戦線(NL)性向の団体「美しの村」共同体の人物が、韓国の軍隊内部で思想工作を繰り広げて摘発され、処罰された事件があったことが確認された。
朝鮮日報は2011年、将校を含む陸・海・空軍の現役の将校と兵士70人ほどがインターネット従北カフェ「サイバー民族防衛司令部」に登録し、その一部は金正日・金正恩親子にささげる忠誠宣誓文まで作成した事件を単独報道して大きな波紋を呼んだ(記事[韓国語]はこちら)。
ところが本紙は、最近入手した「美しの村」の関連資料を逆追跡した結果、この事件の実体が明らかになった過程の全貌を把握することになった。これは「美しの村」のメンバーが主体思想派の思想を、国家安全保障を担当する軍隊内部でも韓米連合司令部にまで広めたことが摘発され、現役軍人を対象にした大々的な国家保安法違反の疑いで捜査が行われたものだった。
資料によると、「美しの村」のメンバーが軍にまで主体思想派の理念を伝えた歩みは、最終的に「美しの村」の影響によるものと思われる。本紙が報道したニュースNジョイと「美しの村」の深刻な主体思想派の思想が、国家の根幹を脅かすほどであることが、当局の捜査結果を通して実証されたのだ。
2011年の「美しの村」のメンバーであり、韓米連合司令部で約10年間勤務していたソル某氏は、国家保安法違反の容疑で韓国軍機務司令部によって押収捜索と調査を受けた後、拘束起訴された。ソル氏は教会のホームページに掲載した自己紹介文で、「美しの村」代表のチェ・チョルホ牧師が担任牧師だった時代にチェ牧師と初めて会っており、彼との交わりを通して「美しの村」に参与したと明らかにした。
また、他の「美しの村」のメンバーであり、海兵隊中尉だったキム某氏も2011年、国家保安法違反で処罰された。当時の機務司令部によるキム氏への家宅捜索の結果、不穏書籍と文書が多数発見され、キム氏は、同じ部隊の兵士ら10人と北朝鮮を称賛する会を作っていたことが分かった。
これに対して大韓イエス教長老会合同教団のある元総会長は、「現役で服務生活をし、『美しの村』共同体で一緒に生活していなくとも従北行為を続けたという点、軍隊という閉鎖された空間においてまで他人に親北理念を伝播したという点、ソル某氏・キム某氏が『サイバー民族防衛司令部』のメンバーであるかどうかは明確に確認されていないが、その関連性に疑いがいく点などは、『美しの村』共同体のメンバーに親北意識、さらには従北意識がどれほど根強く埋め込まれているかをよく見せてくれたことだ」と指摘した。
この事件は、「美しの村」のメンバーが主体思想派の思想を単に自らの共同体の中で共有することを超え、積極的に外に出て伝播してきたことを示唆している。これをきっかけに、キリスト教界内で大規模な調査を行い、主体思想派の思想を徹底的に取り除かなければならないとの世論が高まる見通しだ。現在本紙には、ニュースNジョイのキリスト青年アカデミーに参加した教会の青年部と宣教団体名簿、同課程修了者の所属教会、団体名簿などが情報提供されている。
北朝鮮人権運動の先頭に立ってきたあるキリスト教界関係者は、「キリスト教を徹底的に抹殺して、教会を破壊する金日成の主体思想を崇拝するということは、深刻な背教行為であり、その影響を受けた人々が教会の中に入ってきて福音メディアを自称して活動するということは、すさまじいキリスト教スキャンダルの事態」と指摘し、「ニュースNジョイと『美しの村』との関連性と、北朝鮮体制と主体思想に対する明確な立場表明を迅速にすることができないのなら、結局自身らが主体思想派のキリスト教内の細胞組織であることを自認することになる」と述べた。