世界100カ国余りから福音派を中心とするクリスチャン約7千人がエルサレムに集まり、イエス・キリストの再臨を待望する式典の一環として市内を行進した。
行進は、ユダヤ教の三大祭りの一つである「仮庵(かりいお)の祭り」(9月23〜30日)に合わせて9月27日に行われた。エルサレム・ポスト紙(英語)によると、地元の住民や海外からの訪問客らが集まる中、参加者は音楽を奏で国旗を掲げるなどして祭りを祝った。行進に参加した最も大きなグループは、ブラジルから来た約900人の代表団。次に多かったのは西アフリカのコートジボワールで、米国の代表団よりも多い約500人が参加した。この他、英国やフィリピン、南アフリカをはじめとする多くの国々から参加があった。
このイベントは、キリスト教系のシオニスト団体「インターナショナル・クリスチャン・エンバシー・エルサレム」(ICEJ)が主催した。世界各国の民がエルサレムで一堂に介するという聖書の記述を先取りしたものとして、ICEJが毎年開催している。
ICEJのウェブサイト(英語)には「(ヘブライ語で)スコットとも呼ばれる仮庵の祭りの期間、ユダヤ人はエルサレムに集まり、神が荒野で食物を与えてくださったことを記念するだけでなく、すべての国の民がエルサレムに流れて来て主を礼拝するようになるという、メシアによる統治の約束を待ち望んだのです」と記されている。
仮庵の祭りについて書かれている旧約聖書の申命記31章には「あなたの町囲みの中にいる在留異国人も、集めなさい」(12節、新改訳)と記されており、ユダヤ人だけでなく、ユダヤ人以外の異邦人もエルサレムで神を礼拝するよう招かれている。
ブラジル出身で現在は米国国籍を持つエリアナ・カブラル牧師をはじめとする参加者は、さまざまな人々がイスラエルを支持していることをイスラエル人に示すことが、このイベントの狙いだと話す。
カブラル牧師は同紙に「私たちはイスラエルを支持し、彼らのために祈っています。イスラエルが強められることは、イエスの再臨に貢献することになるからです。私たちがここに来るのはイスラエル人に主イエスを伝えるためです」と語った。
米国から来たユニス・ジョーンズさんは、人々のために祈り、交わりを持つために参加したと話す。
「私たちは、神がイスラエルを選民として選ばれたこと、またメシアである主イエスが終わりの時にこの地に戻って来られることを信じています。ユダヤ人にとっては初めてであり、クリスチャンにとっては二度目になりますが、いずれにしても私たちはメシアの到来を待ち望んでいるのです」
イスラエル政府関係者は、海外から数千人のクリスチャンが参加するこのイベントを歓迎している。
ICEJは、クリスチャンとして仮庵の祭りを守ることは将来における預言的な目的のためだとし、ウェブサイトで次のように述べている。
「メシアの時代が到来すると、世界中でこの祭りが祝われることになるでしょう。なぜなら、それがイエスの再臨の特徴だからです。しかし今のところ、クリスチャンがエルサレムに集まって仮庵の祭りを祝うことは、イエスが統べ治める千年王国の到来を力強く証しする信仰による行いの段階です」
仮庵の祭り(スコット):春の「過越の祭り」(ペサハ)、夏の「七週の祭り」(シャブオット)と共に祝われるユダヤ教の三大祭の一つ。ユダヤ人の祖先が奴隷として苦しめられたエジプトを脱出した後、荒野で天幕(仮設の家=仮庵)に住んだことにちなむ。秋の収穫祭としての側面も持ち、ユダヤ暦に従い毎年9月から10月に祝われる。