【CJC=東京】サウジアラビアが8月5日、キリスト者15人を国外退去処分にした。南西部の避暑地タイフの住宅で密かに礼拝を行なったことを理由にしている。米ASSIST通信が報じた。
各国でのキリスト者迫害の監視団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC)によると、キリスト者16人が祈祷会を催していた住宅をサウジ警察が4月25日、手入れした。「警察は門を破壊して中に入り、短銃を向けて、滞在許可証と携帯電話を引き渡すよう命令した。4時間にわたる家宅捜査と尋問の後、電子ドラムセット、500リアル(約1万4000円)が入った献金箱、聖書20冊、キリスト教書数冊も押収した」という。
聖書を説き、賛美歌を歌うことを理由に、警察がキリスト者を起訴した、とICCは指摘する。ただ後になって訴因は、ダンスパーティを開催、テロ支持のために募金した、と変更された。
「警察は、アラビア語で調書を作成、キリスト者に署名を強制した。しかしキリスト者は移住者で、アラビア語を読むことも書くことが出来ない」とICCは指摘する。尋問の後、キリスト者は拘置され、外部との連絡は認められなかった。3日間拘置された後、4月27日釈放された。キリスト者の1人は即時出国したが、残りは日常生活に戻ったところ、国外退去を求める書簡を受け取ったもの。
サウジアラビアはスペインのマドリードで7月16〜19日に宗教間会議を主催、アブドラ国王は各宗教間の和解を求めた。ICCのジェフ・キング会長は「私宅での礼拝を理由にキリスト者を追放することは、アブドラ国王の演説が単なる論理であり、変化と和解に関するサウジアラビアの願望は国際社会をごまかしていることを示す」と語った。