今年4月の爆弾テロで40人が犠牲になったエジプト北部タンタのコプト正教会、聖ゲオルギウス教会(英名:聖ジョージ教会)で2日、テロ発生から8カ月ぶりに礼拝が行われた。爆弾テロは、イースター(復活祭)1週前のパームサンデー(聖枝祭)を狙って起こり、同教会はこれまで軍の支援を受けて会堂の修復工事を行ってきた。
エジプトの英語情報誌エジプト・トゥデイ(英語)によると、土曜日の2日朝、厳重な警備が敷かれる中、テロ後初となる礼拝に大勢の信者が参加した。
爆弾テロが発生した4月9日は、聖枝祭を祝うために約2千人の信者が同教会の礼拝に参加しており、少なくとも40人が死亡、70人以上が負傷した。さらにその4時間後には、2度目の爆弾テロが同国北部アレクサンドリアの聖マルコ大聖堂で発生。16人が死亡、少なくとも40人が負傷した。
聖ゲオルギウス教会の信徒であるアバノウブ・ガマルさんは当時、キリスト教迫害監視団体「ワールド・ウォッチ・モニター」(WWM)に次のように語っていた。
「私は教会の入口の脇にあった座席の後ろに立っていました。すると午前9時25分ごろ、茶色のジャケットを着た男が教会に入ってきたのです。男は座席の通路を前方まで歩いていくと、教会の祭壇の前に立って自爆しました」
「その時、激しい爆発が起こりました。照明が消えて人々が叫び、ひどい有様でした。教会の中には、遺体や爆破された体の一部が散乱しており、けが人でいっぱいでした。辺り一面血だらけで、教会の天井にまで飛び散っていました」
聖ゲオルギウス教会に対しては先月にも別の襲撃計画があったが、警備員が建物の外で襲撃を未然に防ぐことができた。
エジプトでは、イスラム過激派による襲撃が増加の一途をたどっており、対象は同国内で少数派のキリスト教徒だけでなく、軍や警察にまで及んでいる。10月には同国西部の砂漠で、警察官16人が殺害される奇襲事件が発生。教会は事件を非難した。また、先月24日には、シナイ半島北西部のモスクを狙った襲撃事件があり、300人余りが死亡した。