「ゴスペルライオン」の愛称で親しまれるゴスペルシンガー・ソングライターの横山大輔さん(カンバーランド長老高座教会会員)。その5作目となるニューアルバム「Jesus」が10月31日にリリースされた。
今回のテーマでもある「希望は失望に終わらない」をはじめ、収録された全12曲には、「生きることはキリストなり」や「詩篇23」、「死んでも生きる」という曲のタイトルからも分かるように、聖書のメッセージを力強く歌っている印象が強い。
「イエス・キリストが12人の弟子に福音を託したように、僕もこの12曲に思いを込めました」と語る横山さんだが、タイトルを「Jesus」とすることには迷いもあったという。
「そのままズバリ、イエス・キリストの御名を冠することは、僕にとっては相当な覚悟がいりました。でも、クリスチャンではない方には『ジーザス』がキリストを表す言葉だということがあまり知られていないんですよね。タイトルだけでも伝道になるかもしれないと思い、日本の救いのために、祈りを込めて名付けました」
横山さんがキリストを知り、洗礼を受けたのは23歳の時。幼い頃から母親に連れられて教会に通ってはいたが、父親が転勤族だったこともあり、子どもの頃は洗礼を受けるまでには至らなかったという。
バスケットボールが大好きだった中学生時代、転校先にバスケットボール部がなかったことがきっかけで、音楽に興味を持ち、ギターを手にするように。
「夢中になると、とことん打ち込むタイプなので、これまでのようにバスケットボールを続けられないことで挫折感を味わったんですね。そんな時に尾崎豊の曲に励まされ、いつか僕も自分の歌で誰かを励ましたいと思うようになりました」
高校卒業後、音楽を学ぶために米カルフォルニア州立大学フラトン校へ入学。しかし、そこで将来に悩み、再び挫折を味わった経験が、洗礼を受けるきっかけになった。
「学校の勉強は難しく、『このまま続けていてもプロのミュージシャンになれるわけでもない』と将来を悲観して心を病んでいた時期がありました。何かヒントがあるんじゃないかと、母にもらった聖書を開いてみたら、神は『隠れた所で見ておられる』(マタイ6:18)とあるので、クローゼットの奥に隠れて祈ってみたこともあるんですが、何も答えは出なくて・・・。
『神様は助けてなんかくれないじゃないか』と絶望して、ギターを持って海岸へ行ったんです。そこでギターを弾いていたら、牧師さんに声を掛けられて(笑)。彼は海岸で友達と待ち合わせをしていたらしいんですが、主が導いてくださったんでしょうね。僕が悩みを打ち明けたら、その牧師さんは第2テモテの1章7節の御言葉を教えてくれました。
日本語では『神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです』と訳されますが、英語だともっとストレートで『God has not given us a spirit of fear(神は私たちに恐れは与えていません)』(NKJV)と訴え掛けてくるんです。この御言葉が飢え渇いていた僕の心に響きました」
これが、横山さんが神の存在を感じ、御言葉を受け入れた瞬間だった。
その後、「主のために歌う」という思いが与えられ、「音楽を続けよう。誰かのためではなく、キリストのために歌おう」と決心をした横山さん。2004年、米国の大学を卒業して帰国後、日本で本格的に音楽活動を始めた。そして、主の愛と希望と癒やしのメッセージを伝えるべく、国内のみならず、インドネシア、韓国、インド、イスラエル、ニュージーランド、台湾、香港、タイなど、世界各国で宣教活動を行ってきた。
キリストと弟子たちの旅路がそうであったように、横山さんの歩みも決して順風満帆ではなく、何度も困難に直面し、挫折や絶望を味わった。一方で、さまざまな奇跡も目にしてきたという。
「東北の震災や、プライベートでつらかった経験など、何度も難しいと感じる道を通ってきましたが、それでもなお神様の希望は失望に終わらないと感じます。世界中で子どもたちが救われる瞬間をたくさん目にしてきましたし、今ではかけがえのないパートナーも与えられました。すべての人が神様を知ることで最高の人生を歩んでいけると、僕は自分自身の人生を通して確信しています。
今までは自分の人生と神様の関係を歌っていたのですが、このアルバムはほぼ御言葉だけ。『クリスチャンでない方が聞いたら、どう思われるかな』という思いもありましたが、聖書にも『信仰は聞くことから始まる』とあります(ローマ10:17参照)。繰り返し聴いていただくことで、少しでも神様の愛のメッセージやイエス・キリストにある希望を伝えることができたらと願っています」
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