ゴスペルシンガーの Migiwa さんが8月27日、ライブハウス「Back in Town」(東京都新宿区)でライブを行った。1日に発売された4年ぶりのソロアルバム「にじゅうまる」に収録された新曲を中心に、全10曲を披露した。
すべてを創造された大いなる主の愛を歌った「愛の宝石」。2016年4月に起きた熊本地震を受け、現地へ赴いて多くの人と触れ合う中で生まれた「祈りうた」。やさしさと力強さを併せ持つ歌声と、歌詞に込められたメッセージに胸を揺さぶられ、時折、目頭を押さえる人の姿も見られた。
今回のライブには、韓国Kポップの第一線で活躍する実力派バンド LUKAS も参加。厚みのあるサウンドをバックに歌う Migiwa さんは、弾き語りとはまた違った魅力で観客を魅了した。
Migiwa さんにニューアルバムについて聞いた。
「にじゅうまる」というアルバムタイトルは、神様に赦(ゆる)されて私たちは「まる」になり、そんな私たちを神様の「まる」が囲んでくれているというイメージで付けたという。「世界中がそんなふうになったらという思いも込めています」と Migiwa さん。
「いわゆるワーシップ系の曲を集めた前作『愛の世界』とは違って、今回は聖書の言葉をなるべく使わずに作った曲を集めました。イエス様が群衆にたとえ話でお話をされたように、ノンクリスチャンの方たちに分かりやすい言葉を使って、『神様という存在がいて、あなたを創り、あなたを愛している』ということを、時に比喩を交えながら歌っています」
2016年にプロダクションから独立してからこの1年、Migiwa さんはどんな日々を送っていたのだろうか。
「それまでは、さまざまな面で助け手がいたので、私は作曲や歌入れなどの作業に集中することができました。ところが独立してからは、誰にプロデュースをしてもらうか、CDジャケットのデザインやプロモーションはどうするかなど、1人ですべてをこなさなくてはならず、本当に大変でした。たくさんの方に迷惑を掛け、私自身も孤独を感じることもありました。しかしその一方で、助けていただくことも本当にたくさんあって、その時に、ありふれた日常の中に幸せが詰まっていると気付いたんです」
ライブでも披露された新曲「小さな幸せ」には、当たり前のように今日という1日が与えられている喜びが歌われている。
「この歌は『1秒1秒に幸せが詰まってるんだよ』というメッセージを届けたくて作りました。ネガティブな自分自身に言い聞かせるつもりで書いた詞でもあります」
またアルバムの最後には、Migiwa さんが15年前に初めて作ったという「My only reason」が2017年バージョンとして収録されている。
「この歌は、私が神様に出会って人生が変わった瞬間を歌っています。音楽活動15年目を迎えて、改めて原点に戻ろうと思ったんです。忘れてしまいそうになる最初の頃の神様への熱い思いや、当時の自分の弱さを正直につづった歌です。今回、初めてLUKASにサウンドプロデュースをお願いしたのですが、彼らにアレンジをしてもらったことで、15年前の曲が見事によみがえりました」
日本のリバイバルをヴィジョンとして描く Migiwa さんにとって、歌うことは「神様によって与えられた使命」だという。
「私の人生は、神様の愛に出会ってから180度変わりました。今こうして歌うことを許されているのは、神様からの使命だと思っています。聖書に『私は生きているかぎり、主に歌い、いのちのあるかぎり、私の神にほめ歌を歌いましょう』(詩篇104:33、新改訳)とあるように、私も生きる限り、命の限り、主に歌い続けたいと思います。この半年間、命を削る思いでアルバム制作に取り組んできました。このアルバムがクリスチャンだけでなく、まだ神様を知らない方たちにも聞いていただけたらうれしいです」
「にじゅうまる」を携えて日本中で歌いたいという Migiwa さん。溢(あふ)れる生きる喜びや神の愛のメッセージが、その歌声を通して1人でも多くの人に伝わるようにと祈ってやまない。