キリスト新聞社(東京都新宿区、松谷信司代表取締役)は今年、新しい電気メニュー「神サポ電気」を発表した。これは、電気が今までと変わりなく供給され、なおかつ新たな負担を一切生むことなく、指定された教会に持続可能な「ささげもの」をするというもの。
2016年4月の電力自由化を受けて、経済通産省から新電力会社として登録を受けたアイキューフォーメーション(東京都世田谷区、岩瀬喜保代表取締役)が販売を行う。新電力に切り替えることで削減される4%の電気代を教会への献金に回すという仕組みを同社は提案している。
信徒の高齢化、教勢の伸び悩みなどの不安材料が山積する中、どのように宣教の拠点である教会を支えていくかは、今後の大きな課題の1つとも言える。そこで登場したのが「神サポ電気」。登録を済ませば、月々の電気代から4%が自動的に指定された教会に献金される。「たかが4%」と思いがちだが、登録するメンバーが多ければ多いほど、当然だが、多くの献金ができる。
主催するキリスト新聞社と、販売を行うアイキューフォーメーションに話を聞いた。
――「神サポ電気」の運用を開始するに至った経緯を教えてください。
キリスト新聞(以下、キ):提携先のアイキューフォーメーションが「寄付電気」という商品を2017年6月から発売しています。新電力に切り替えると4%ほど電気代が安くなるのですが、その金額が月に400円程度のため、あまり魅力を感じず、そのままにしている方が多いのが現状です。
この4%は旧電力会社(東電や関電)の莫大(ばくだい)な利益のもとであり、それが電力会社の投資(原発などを含む)になり、巨大資本を作っています。本来はもっと広く、それぞれの考えや志向に合わせて還元されるべきお金だと考えます。それを「寄付」という形でいろいろなところに還元できないかと考えたのが「寄付電気」の始まりだそうです。
その仕組みや約款などをそのまま利用し、「教会へ4%を献金する」。言ってみれば、電力会社の利益になる部分を教会に持ってくるのが「神サポ電気」です。
――申し込みは簡単にできますか。
アイキューフォーメーション(以下、ア):簡単です。クレジットカードでお支払いの方は、当社のホームページからお申し込みください。銀行口座振替をご希望の方は、ホームページもしくはファクスでお申し込みください。口座振替用紙と申込書をご郵送いたします。
参照動画
――誰でも申し込むことができますか(賃貸、マンション、一軒家などの違いなど)。
ア:お申し込みいただく住宅の形態はどれでも大丈夫です。また、法人様でも可能ですが、クレジットカードは利用できないので、銀行口座振替でお申し込みください。
1つご注意いただきたいのは、「電力会社以外に電気代を払っている場合」です。例えば、マンションでの「一括受電方式」といって、管理組合に電気代を支払っている場合(近年は少数派です)や、法人様で大家さんに電気代を支払っている場合です。この2つのケースは、電気の切り替えができないため、お申し込みいただけません。これらを含めて、お気軽にお問い合わせください。
――このサービスの一番の利点を教えてください。
キ:今までと変わらない電気代で、その4%があなたの所属教会に献金されるという「持続可能な」教会支援ができるサービスという点です。
――「神サポ電気プラス」について詳細を教えてください。
ア:「神サポ電気プラス」は、教会での使用をご検討いただく電気です。「神サポ電気プラス」には献金は付いていません。その分まで電気代を下げて、電気代の一部を献金するよりも教会へのメリットが大きくなるようにしています。
狙いとしては、土日に電気の使用量が大きな教会の電気使用状況に合わせて、土日の電気代を下げている料金体系です。そのため、お見積もり依頼をいただいたケースでは、電気代が15%ほど安くなるケースもありました。4%を献金するよりも15%安くなる方がメリットが大きいため、教会でご使用の場合はこちらをご選択ください。
また、幼稚園などを併設されていて、土日以外の使用量も大きいという教会からご依頼をいただき、幼稚園用メニューを作成して試算をしました。7日間ほとんど同じでも、電気代は10%程度は下がるようです。年間の電気代が10%程度削減できることで、他のことにお金を回すことが可能になります。ぜひお気軽にお問い合わせください。
――読者にメッセージを。
ア:「寄付電気」を始めてまだ数カ月です。「電気を変えて社会を変える」。そんなキャッチフレーズで始めました。ひと月平均400円、でも大事な400円です。それが集まれば、社会が変わるかもしれません。できるだけ皆さまに認知をしていただこうとしていますが、なかなか至らないことが多く、広まりません。また、少人数でやっているので、なかなか気付かないところも多いです。私たちの目標は、「電気を通じて寄付・献金」というスタイルが社会に根付くことです。皆さまのご意見やお考えをたくさんいただければと思います。
詳しくはホームページを。