社民党は3日の常任幹事会で、日本基督教団無任所教師(牧師)で新人の小糸健介氏(35)を衆院選東京21区の公認候補者とすることを内定した。都市センターホテル(千代田区平河町)で4日、「福島みずほ 未来をつくり、希望をつなぐパーティ」が開かれ、そこでお披露目が行われた。
東京21区は、八王子市(東中野・大塚)、立川市、日野市、国立市、多摩市の一部、稲城市の一部で、有権者数は約40万人。前回の第47回衆議院議員総選挙では、自民党の小田原潔氏が民主党(当時)の長島昭久氏にわずか1633票上回る8万3984票を獲得して当選した。長島氏は比例で復活当選。共産党の吉岡正史氏は5万票近い差を付けられて落選している。
今回も自民党の小田原氏(53、当選2回)と、東京都知事の小池百合子氏が代表を務める「希望の党」に入った長島氏(55、当選5回)が争う注目の選挙区となる。他に、共産党から新人の田川豊氏(48)が出馬する予定だったが、野党共闘のため、小糸氏に譲るかたちで辞退した。また、新党憲法9条の天木直人氏(70、新)が立候補する予定だが、6日午後に会見を開いて出馬するかどうかを明らかにする。
小糸氏は1981年、熊本市生まれ。鹿児島にあるカトリックのラ・サール中学校・高等学校から同志社大学神学部へ進み、2009年に同大学院修士課程を中退後、大坂府堺市の日本基督教団希望ヶ丘教会の伝道師を経て、2012~14年まで日本組合教会の流れを汲む同教団延岡城山教会(宮崎県)の牧師と城山幼稚園園長を務めた。現在は日本基督教団無任所教師、また主夫として4歳の娘の子育てに励んでいる。昨年から、社民党の福島みずほ参議院議員が講師を務める「みずほ塾」に参加していた。
『戒規か対話か 聖餐をめぐる日本基督教団への問いかけ』(新教出版社、2016年)に小糸氏の文章がある。これは、洗礼を受けていない人も聖餐にあずからせていた牧師が、その所属する日本基督教団から戒規に処され、牧師職を追われたことに対して、50人の執筆者が問題提起をしたもの。小糸氏とキリスト教との出会いは、ラ・サール中学校で毎週金曜日夕方に行われていたミサへの出席だった。信者だけが受けられる聖体拝領(聖餐)に自分があずかれないことに「素朴な疎外感が芽生え」、やがて学内ミサへの出席をやめたという。その後、当時、洗礼を受けていなくても唯一受験できる同志社大学神学部に進み、下宿に近いプロテスタント教会でパンとぶどう酒を口にすることができたうれしさから、その年のクリスマスに洗礼を受けたと述べている。
また、2006年の「フランクリン・グラハム国際大会への反対声明」の賛同人の1人としても名を連ねている。当時、小糸氏は同志社大学神学研究科に在籍中で、日本基督教団彦根教会信徒だった。その声明には次のようにある。「今日でも米軍の軍事基地の重圧にあえいでいる沖縄県民・・・、また今、沖縄の米軍基地からイラク戦争に参加している事実に鑑みるに、このようなブッシュ政権の政策を支持している人物を招いて行なわれる集会が、どのような影響と結果を沖縄にある教会に与えるか深く憂慮するものです」
小糸氏から全国のクリスチャンに向けてのコメントを寄せてもらった。
私の決意
この度、東京21区で社民党より立候補させていただきます。日本基督教団教師(牧師)の小糸健介と申します。
クリスチャンの方々へということで、聖書を引用しつつコメントいたします。
戦争の足音が近づく中で、「平和を実現する」ために、「今がその時である」と信仰的決断をしました。
「夢と幻」を語りつつ、子どもたちのために明るい未来を守っていきたいです。
教会で出会う様々なルーツや文化を大切にしてきた方々と一緒に、カラフルで豊かな社会を残していきたいです。
改憲によって信教の自由を奪おうとする動きには断固反対します。
「Everyone can decide, not Anyone」(誰かに決められる政治から、誰もが決められる政治に)をスローガンとして闘ってまいります。
皆さまの応援が必要です。お支えいただけましたら幸いです。
平和な社会のために、連帯!
社民党東京21区候補 小糸健介