牧師で元衆議院議員の土肥隆一氏が22日、神戸市内の病院で召天した。76歳だった。
関係者によると、約1年前に自宅で脳卒中により倒れ入院。意識がない状態が続いていたという。葬儀は25日、日本基督教団神戸教会(同市)で親族のみによる密葬で行われた。
喪主で長男の土肥信哉氏は、「父は子に、ひとことも政治家や牧師になるようには話されませんでした。ただクリスチャンになるスピリットを継承するようにだけ強く望まれました」とコメントした。
1939年、京城府(現・韓国ソウル)生まれ。東京神学大学大学院修士課程を修了し、日本基督教団所属の牧師となる。90年の衆院総選挙(兵庫県第1区)で初当選。牧師職を務めながら7期23年にわたって国会議員としての任に当たった。2014年には旭日重光章を叙勲した。
議員時代には、日韓両国の関係を政治的・外交的な手段だけではなく、キリストの愛によって友好なものにしようと日韓キリスト教議員連盟を創設し、日本側の代表を務めていた。日本CBMC主催の国家晩餐祈祷会やインターナショナルVIPクラブ主催の国会クリスマス晩餐会など、日本のキリスト教宣教のさまざまな働きに尽力した。