【ニューヨーク=ENI・CJC】(クリス・ハーリンガー記)米長老教会(PCUSA、信徒220万人)を3期12年にわたって指導して来たクリフトン・カークパトリック書記は、同派について、会員数の減少や、教会内の性問題などを抱えながらも、「福音への忠実」と米国の宗教事情の変化を意識していれば、「強力な声」であり続けられる、と確信している。「改革派の伝統にはなお驚くほどの賜物がある」とインタビューで語った。
カークパトリック氏は、公然同性愛者の聖職任命など、派内を分裂に導くような問題があり、そのいくつかが苦痛であったことは認めた。取り扱いは「完璧ではなく、腹を立てている人もいる」と言う。それでも同派が正式に分裂することはない、と予測している。「相手方の動機を問題にして来た双方も、キリストへの信仰に対する誠実さからの行動だということを理解している。それは私たちへの賜物だ。ほとんどの人はこの問題で教会から離れることはないだろう」と言う。
ただカークパトリック氏は、同性愛者の権利容認が増えていることを理由に同派を離脱する人のことを懸念している。
この6月に、同派総会は事実上、公然同性愛者の聖職任命を可能にする教憲修正案を承認した。修正案は今後、各中会の多数の賛成、承認を必要としている。「彼らが去ることに深く心が痛む。しかし、私はPCUSAが示した預言者的な証しを後悔しない。変革はいつも高くつく」と、カークパトリック氏。
PCUSAは会員減少が続いている。2007年には前年比5万7572人(2・5%)減少した。数では1981年以来の減少幅。率では74年以来のこと。カークパトリック氏は、今回の会員減少の理由が複雑で、高齢化や「世俗社会」への回帰などもあると言う。 それでも、新規会員数では米国内の他派より多いと信じている。同派の現在の活力が、韓国、台湾、メキシコからの移住者が形成した共同体や新たな「霊的な探求者」を迎え入れることにあると見ている。「神の召しは数ではなく、福音に忠実なことにある」と、カークパトリック氏は説明する。
同氏は、PCUSAが反対したイラク戦争やイスラエル・パレスチナ紛争和解といった問題で「預言者的な」姿勢を取ることを後悔していない、と語った。カークパトリック氏は、世界改革教会連盟(WARC、本部ジュネーブ)議長職を2010年まで務める。WARCが『改革派エキュメニカル協議会』と合同することを喜んでいる、と言う。