16日からの3連休に、日本列島を縦断した台風18号。7月の九州北部豪雨の爪痕もまだ生々しい九州地方に、さらなる被害をもたらした。7月に立ち上げられた九州キリスト災害支援センター(九キ災)日田ベースでは、日田周辺でのボランティア活動とは別に、台風で被災した大分県津久見市での支援活動を18日から開始した。ディレクターの竹崎光則牧師に話を聞いた。
河川の氾濫によって、床上、床下浸水などの被害があった津久見市。街の中心部には自衛隊が入り、生活道路の確保などの作業は進められているものの、個人宅にまでは支援の手が及んでいない。そのため、住民が助け合いながら泥かきなどの作業をしているのが現状だ。
九キ災では、教会関連の方からの依頼があり、支援に入ることになった。同じ大分県でも、ベースのある日田市から津久見市までは、福岡との県境から豊後水道沿岸へと出る必要があり、約125キロも離れている。車で約1時間半の道のりだ。
18日は、視察も含めて3人で活動を行った。続いて19日は5人体制で支援に臨んだ。現地はまだ被災直後の状態ながら、生活に必要なものを販売するコンビニや大型店舗は営業しているという。
「水害は、とにかく最初の1週間が大切。泥が乾かないうちに、とにかく家の中の泥をかき出すことです。特に、今回の台風で被害に遭われた方のお宅では、自宅の被害の少ない部屋で生活をしながら泥かきなどを行っているので、とにかく急いで作業をすることが必要なのです」
高齢者の多いこの地区では、近隣の親戚などが駆け付け、家の片付けを行っている家庭もある。しかし、身寄りのない家や、近くに親戚が住んでいない家には助け手がいない。そのため九キ災では、そうした家からの支援要請が多いのだという。一般でも、津久見市をはじめ、佐伯市、臼杵市の社会福祉協議会が19日までに災害ボランティアセンターを立ち上げ、ボランティア募集を始めた。
「これから本格的な台風シーズンに突入します。台風被害は、日本全国どこにでも起こる可能性があります。今回被災された方の中にも、『50年この場所に住んでいるが、こんな災害は初めてだ』とおっしゃっていました。もし親類などから『被災した』という連絡を受けたら、まず、できるだけ早く手伝いに行ってあげてください。その時は、現地ではなく、自分のところで必要なものをそろえていくことをお勧めします。自然災害は起こってほしくはありませんが、こればかりは、どこでいつ起きるか分からないので、普段から備えておくことだと思います」
「主よ、憐れみたまえ」と祈り、黙々と体を動かす九キ災ボランティア。今回の災害では、物質的な支援は現在までのところ必要はないが、大きな祈りの支援が必要になりそうだ。
被災した方々が1日でも早く癒やされるように。ボランティアの活動が守られるように。そして、彼らが良い証しとなって福音の種がまかれるように、全国から祈りをささげたい。