九州では記録的な豪雨となり、各地で甚大な被害をもたらしている。福岡県と大分県では、1時間に50ミリを超える非常に激しい雨が降った地域もあった。河川の氾濫、土砂崩れなどの被害が相次ぎ、一部地域では孤立している集落もあるとの情報がある。行方・安否不明情報は6日午前10時現在、福岡県11人、大分県11人の計22人。福岡県朝倉市杷木(はき)地区では1人の遺体が見つかった。気象庁によると、7日午前6時までの24時間雨量は、多いところで福岡県、佐賀県、大分県が250ミリ、長崎県、熊本県が200ミリの見通しだ。
2016年4月に起きた熊本大震災の支援を機に立ち上げられた「九州キリスト災害支援センター」(九キ災)では、迅速に情報収集をするとともに、地域の災害支援団体と連携を図って、昨晩から初動体制を整えている。
昨夕、協力団体の「災害NGO 結(ゆい)」の代表が被害の大きい福岡県朝倉市に入り、状況を調査した。同市では、県が設置した雨量計で5日午後9時までの9時間に700ミリを超える雨量を観測した。代表は現地の協力団体とも連絡を図りながら、深夜、九キ災に立ち寄って、いったん帰宅したという。
6日早朝から、九キ災熊本支部のある熊本県益城町の関連団体を中心に、支援物資、水などの収集にあたり、荷造り作業に追われている。午前11時には荷物の準備が整い、1便、2便ともにトラックが福岡県に向けて出発した。熊本支部から朝倉市までは、通常の道のりで2時間程度。しかし、すでに道が冠水している場所もあることから、時間の予測は不能だという。
また、6日付で熊本支部とともに福岡県の久留米ベテル教会にもベースを構え、「九州北部豪雨災害支援久留米ベース」として活動を始めた。
一方、益城町にも豪雨の危険性が及んでいる。現在もなお大雨・洪水警報が発令されるなど、予断を許さない状況。同センターのスタッフ山中弓子さんは今朝のセンターの様子をこう話す。
「昨年の地震の被害がまだまだ残っている状況。河川の氾濫、また地震で地盤のゆるんでいる地域の土砂崩れなども考えられる。こちらの被害も最小限に食い止め、万一の備えをしなければならない。あわせて、すでに被災している地域への支援も並行して行っている。フル稼働している状況です」
祈りのリクエストとして、次の4つが挙げられた。
- 被害にあわれた方々のために
- すでに救助、支援に動いている行政の方々のために
- 九キ災のスタッフの安全のために
- 現在も警報が発令されている地域の安全のために
また、九キ災の中村陽志ディレクターから6日夜、連絡が入った。
「今日は2チームを派遣し、情報収集を行いました。明日は久留米の牧師、私と九キ災スタッフとともに明朝に現地入りを考えています。今現在、物資の受入れと搬入が中心になります。ボランティアの受け入れと派遣は今後検討しているところです」
九キ災では逐次、情報を発信している。祈りのリクエストとともに、現地からの情報も受け付けている。詳しくはフェイスブックを。
わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである。(エレミヤ29:11)
■ 豪雨で水が溢れる河川=5日、福岡県朝倉市で(現地の市民提供)