ウズベキスタン当局が聖書の輸入を事実上禁止したと現地の聖書公会が発表した。
ウズベキスタン聖書公会は現地時間の先月13日、聖書の通関を許可しないとした同国の宗教委員会の決定を公式に確認した。これは、「国内への聖書輸入を禁することを意味する」という。
同聖書公会によると、5月19日以降、ウズベク語、カラカルパク語、ロシア語など約1万1千冊の聖書やキリスト教書籍が首都タシケント税関に押収された。
一方、国内で聖書やキリスト教関連の書籍を自由に読めるのかとの質問に対して宗教委員会の関係者は、「これに対して答える権限はない」と答えたという。
ウズベキスタン聖書公会は1993年に設立。政府は聖書公会の活動領域が拡大されるのを憂慮し、これまで中央アジア言語やウズベク語で聖書を翻訳・出版して流通させることで同団体の活動を制限してきた。聖書を輸入するのは、こうした法律に反するというのが政府側の主張だ。
現在、同国での宗教関連書籍の税関通過には、必ず当局の宗教委員会の許可が必要となっている。
ウズベキスタンでは総人口の90パーセントあまりがイスラム教のスンニ派に属し、宗教組織および良心に関する法律を通して宣教師らの活動を厳格に統制している。また、彼らのムスリムへの改宗も禁じている。米国議会の国際宗教自由委員会は、同国を宗教弾圧における特別関心対象国として毎年指定してきた。