昭和期を代表する洋画家の小磯良平(こいそ・りょうへい、1903〜88)が旧新約聖書の32場面を描いた水彩画を展示する美術展「小磯良平・聖書装画の世界」が今月9日から、静岡市の静岡アートギャラリーで開催される。9月28日まで。
群像を多く手掛けたことで知られる小磯は、卓越したデッサン力と洗練された画面構成をもとに、日本の近代洋画にモダンな感覚と気品溢れる画風を取り入れた。日本洋画界への貢献が高く評価され、83年には文化勲章を受章している。
今回の出展作は、71年刊行の口語訳聖書の装画として日本聖書協会から作成を依頼されたもの。小磯自ら聖書の中で絵にしやすい部分や面白い構図になりそうな物語を選び、そこからイメージを膨らませて描いたという。また、それぞれの下絵や油彩画、実際に使用されたパレットなども展示される。
入館料は高校生以上500円、中学生以下及び市内在住の70歳以上無料。開館時間は午前10時から午後7時。月曜休館(但し9月15日は開館、翌日休館)。問い合わせは同ギャラリー(電話:054・289・5400)まで。