米ノースカロライナ州を拠点に、複数のキャンパス(枝教会)を持つエレベーション教会(スティーブン・ファーティック牧師、礼拝出席者数約2万人)が、米フォーチュン誌の「ミレニアル世代のための職場ベスト100」(英語)にランクインした。同教会は、託児施設完備、健康保険全額支給など、多彩な福利厚生を導入しており、今後もスタッフを追加雇用するという。
米国勢調査局によると、ミレニアル世代は、1982年から2000年の間に生まれた若者と定義されている。全米に8310万人おり、総人口の4分の1余りを占める。この世代は7540万人を超えるとされるベビーブームの世代でもあり、過去の世代と比較すると多様性に富み、44・2パーセントが少数派の人種や民族で構成されている。
フォーチュン誌は、同誌と提携するグレイト・プレイス・トゥー・ワーク社が認定した企業で働く、39万8千人余りの米国人を対象に調査を行い、ランキングを作成。同社は、50種類の基準に応じてミレニアル世代が肯定的な評価をした順に、企業をランク付けした。この基準には、マネージャーの能力や同僚に対する好感度などが含まれる。またランキングは、企業が持つ多様性や、ミレニアル世代と他の世代との長所・短所の違いも考慮されている。
エレベーション教会は2015年にもランクインしており、今年は91位で、教会としては唯一のランクインを果たした。同教会のスタッフは、フォーチュン誌に次のように話している。
「ここ(エレベーション教会)は仕事のペースがとても速いのですが、楽しい職場です。正直言って、仕事に関して生半可な気持ちで一歩足を踏み入れたら、すぐに取り残されることになります。でも、思い切って働いてみるなら、ここは最高の職場ですよ」
「家族も歓迎しています。託児設備にはじまり、配偶者も参加できる全従業員向けのミーティング、四半期ごとに催される家族中心のスタッフパーティーに至るまで、あらゆる面で家族を歓迎し、優先しています。この教会が他と違う点は、職場で成功するためには、家族に対する配慮と工夫が不可欠だという理解があることだと思います」
「私の家族は、つらい時期にあっても支えられていると感じています。この教会には、普通ではなかなか見つけることのできない、ましてや一般の職場ではめったにない支援システムがあります。それがあるので、よほどのことがない限り、別の職場で働く気になりません」
すでに200人余りのスタッフを抱える同教会だが、来年には新たに40人を雇用する予定だ。
同教会では、フルタイムで1年間勤務し続ければ、20日間の有給休暇と12日間の有給病欠休暇が取得可能になる。健康促進のために、スタッフ割引のあるジムもあり、教会本部にほど近い公園ではスポーツも楽しめる。
教会の広報担当者は、「エレベーション教会が提供するサービスには、プロのスタイリストによるヘアカット、洗車、家の改装、映画の割引チケット、オイル交換、財務計画サービスなどがあります。どのサービスも事務所のアシスタントによって予定が組まれ、代金は給与から差し引かれるようになっています」と言う。
同教会で最近働き始めたスタッフは次のように話す。
「私はここに来てから1年もたちませんが、他にはない珍しい経験ができていると思います。毎朝起きてここに来ると、いろいろなグループの人たちと協力して、共通の目標を果たすことができます。職場の人は私の(今後の)キャリアについて気遣ってくれますし、精神的にも肉体的にも霊的にも、私が健全に成長するよう見守ってくれます。また、リーダーシップトレーニングやフィットネス、職場でのカイロプラクティック、健康的な食べ物を売る自動販売機、信仰的な指導などを通して、人間的に成長する機会が与えられています。エレベーション教会は、午前9時から午後5時まで勤務するだけの普通の職場ではありません。私たちは家族であり、自分たちの召命にとても熱心なのです」