一橋大学を中心にした学園都市として開発され、閑静な住宅街としても知られる東京都国立市。その一角に建てられているのが日本同盟基督教団国立キリスト教会(嵐時雄牧師)だ。
JR中央線の国立駅と南武線の矢川駅から徒歩で数分のところにあり、広い駐車場も完備されている。遠くは墨田区から車で通う教会員もいるという。6月25日の日曜礼拝の1日を取材した。
午前10時から1階で教会学校の成人科、ユースクラス、2階では嬰児・幼稚科と小学科が行われる。成人科では、テキストを参考にして話し合ったり、証しを分かち合ったりする。ユースクラスでは、教育担当の本澤敬子牧師のもと、賛美とみことばの分かち合いがされていた。嬰児・幼稚科には、子どもたちが保護者と一緒に出席し、聖書の話を聞く。小学科になると、それぞれ自分の聖書を持ってきて一緒に読み、賛美をささげ、楽しそうにゲームをしていた。
主日礼拝は11時から始まった。子どもたちは一番前の席に座り、大人と一緒に礼拝をささげる。
礼拝が終わると2階へ移動して、皆で楽しくランチタイム。食事を共にしながら、思い思いに交わりの時を持っていた。「小さな子どもからお年寄りまで、本当に仲がいい教会です」と女性が笑顔で語ってくれた。
礼拝後、嵐時雄牧師に話を聞いた。
――国立キリスト教会では何年目ですか。
今年で17年目です。
――信仰を持たれたきっかけは。
23歳の時、大学の最終学年で落第し、5年目の時に剣道部の後輩に誘われて、宣教師が家でやっていた集会に参加するようになりました。半年通い、何となく教会の輪の中に入っていましたが、「自分の来るところではないな」と思っていました。
宣教師から奉仕を頼まれることが多くなり、特別伝道集会のアナウンスカーで回ったこともありました。でも、この伝道集会の奉仕を最後に、お世話になった教会を辞めようと思っていました。この最後の時にイエス様を信じたんですね。メッセージの中で十字架と自分の罪の関係が語られ、このまま行けば神様の御心に反する人生を歩んでいく。そう示されて、「神様がいないならいいが、おられるとしたら、それはまずいな。神様にかけてみよう」と思い、メッセージの後、「信じたい人はいますか」との呼び掛けに手を挙げて応答しました。自分が罪人だと分かり、私の人生は変わりました。
――牧師になられたのは?
33歳の時です。日本日曜学校助成協会(現在のいのちのことば社CS成長センター)で6年間働き、その後、北海道聖書学院で学びました。自分の母教会(のびどめキリスト教会)で牧師を20年間務め、国立キリスト教会に赴任しました。
――この教会は歴史があると聞きました。
はい、創立54年目になります。同盟聖書学院から超教派の神学校となった日本クリスチャン・カレッジ(JCC、1955年開校。後に東京キリスト教短期大学から東京基督教大学となる)が63年、杉並区からここに移転してきたのですが、神学生の行く奉仕教会がなくて、このチャペルを使って礼拝が始まりました。そのような歴史があります。
――教会の役割とは?
基本的には福音を伝えることが最も大切な役割だと思っています。地域のニーズに応えることも大切ですが、社会に尽くしても、そこにいる人がキリストの救いにあずかれないのは悲しいことです。伝道活動と社会活動を分けて考えるわけではありません。最終的には、魂が救われてほしいのです。これは崩せないことです。教会の役割とは、福音を告げ知らせて、地域の人たちの人生が神様の中に加えられるようにすることだと思っています。
高山正治先生(倉敷めぐみキリスト教会牧師)から教えられたことがあります。先生は統一協会の信者救出に力を入れています。しかし、どんなに助けても、彼らの多くは「救出されたら、それでいい」と考えます。被害にあった方の両親も同じです。しかし、それでは人生は何も変わりません。救われるまで導かなければいけません。このことを高山先生から聞き、本当にそうだなと思いました。
電話で人生相談を受けることが多くありますが、ぜひ教会に直接お越しください。
■ 日本同盟基督教団国立キリスト教会
〒186−0003 東京都国立市富士見台4−39−1
電話:042・572・9269
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