1961年にショーター大学(米ジョージア州)に入学し、キリスト教学の学びを始めてから半世紀以上を経て、ついに今月5日、88歳の引退牧師、ホーレス・シェフィールドさんは苦労して得た学位を手にし、同大を卒業した。シェフィールドさんは、学位を得るまでは、主イエスに会うまいという強い思いで心を燃してきたという。
近所に住むアマンダ・ブランノックさんは、シェフィールドさんが何十年も前に始めた学位取得のための業を完了させるために手助けをした1人だ。「私は彼の手が震え、もう書くことができないほどになるのを目にしましたし、目が普通に見えなくなるところまで、彼が一生懸命集中しているのを見てきました」と言う。
同大(英語)によると、シェフィールドさんは65年、娘たちが大学に入学するため、自身の学業を中断した。
しかし、授業料を払わずに大学に通う高齢者についての雑誌記事を読んだことで、中断していた学位取得のための学びを完了させる時が来たと考えたという。履修済の115時間の上に単位を積み上げて学位を取得しようと決断した時を振り返りつつ、「当時、私は卒業証書を得たいとは思っていませんでしたが、今、学位を手にしようとしているのです」と語った。
ブランノックさんは、同州ラマー郡にある小学校で、低学年の識字教育を行っている教師だ。シェフィールドさんの学位取得を助けたのは、これまで多くの助けを受けてきたからだという。
ブランノックさんは、地元の日刊紙「ローム・ニュース・トリビューン」(英語)に、「私は5年前にジョージア州に引っ越してきました。ホーレス牧師は私がここで出会った最初の人々の中の1人でした。ホーレス牧師は私の家に来て、私の家族に話をし、主を受け入れ、教会員になるように話してくれました。私が自分の夫と息子の洗礼を見ることができたのは、ホーレス牧師のおかげなのです」と語った。
「彼が大学に戻ることを私に話してくれたとき、それ(学位取得)が自分の生涯で完了できなかった唯一のことだと語りました。そして彼はその学位を得ないまま召され、主に会うことを望みませんでした」
「彼はパソコンについて何も知らず、持ってもいないと言っていました。それで私は、『私はパソコンとプリンターを持っていますし、インターネットに接続できるようにしてあげることもできます。やってみましょう』と言いました。彼は私に、夫と息子の救いという神の賜り物を与えてくれました。私には彼が教育を受ける手助けをしないことはできませんでした。私たちは彼をとても誇りに思っています」
ローム・ニュース・トリビューン紙によると、グランノックさんは卒業式の日、シェフィールドさんの家族と共に、シェフィールドさんが歩行器を押しながら壇上で学位記を受け取る際に同行した。
「私たちはチームとして参加しました。そして私たちはチームとして登壇したかったのです」とグランノックさん。「私は自分自身が学位を取得したのと同じぐらい、彼を誇りに思っています」と語った。
卒業式では、シェフィールドさんの名前が呼ばれると、歓声が沸き起こり、シェフィールドさんらがステージを降りる時まで鳴りやむことがなかった。
シェフィールドさんは卒業式後、一言こう語った。「生涯忘れられないスリルです。私はついにやり遂げました」